愛したはずの夫は、まったくの別人であった――。
「マチネの終わりに」の平野啓一郎による、傑作長編。
弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。
宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。
長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。
ところがある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に、「大祐」が全くの別人だという衝撃の事実がもたらされる……。
愛にとって過去とは何か? 幼少期に深い傷を負っても、人は愛にたどりつけるのか?
「ある男」を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。
第70回読売文学賞受賞作。キノベス!2019第2位。
\【?? 映画化決定 ??】/
「ある男」文庫版刊行に合わせたビッグニュースとは…
平野啓一郎の長編小説『 #ある男 』(文藝春秋)の映画化が決定しました??同タイトルの映画『ある男』が2022年に公開されます!
平野作品としては、『マチネの終わりに』に続き、二作目の映画化となります。?? pic.twitter.com/bd1kY23RxX
— 平野啓一郎作品公式(『ある男』映画化決定!&文庫発売 ??『本心』5月刊行!) (@matinee0409) August 30, 2021
【2022年映画公開決定!】
妻夫木聡・安藤サクラ・窪田正孝
ほか日本を代表するオールスターキャストが集結。
監督は『蜜蜂と遠雷』の石川慶。
「この作家がテーマとして掲げている「分人主義」を、このような形で小説に昇華することが出来るのかと!唸らされた。そしてラストは、あふれ出る涙をこらえることができなかったが、それが不思議と心地よい読後の余韻として、ずっと残る作品である。引用されている絵画や音楽、小説などが、本作の深みをさらに増しており、いつも何か新しい出会いを提供してくれるのも、この作家の作品を読む楽しみでもある。」
「本編に出てくる弁護士の妻のようにすべての欲や世間体が満たされることがゴールだと感じる方は数多くいると思います。それが首都圏ではたぶん現実です。しかし一方で不遇な運命に対峙し悩みながら苦しみながら、ときに壊れそうになりながらも、真摯に人生に向かっていったある男にはひとびとからの真の愛情、真に幸せな時間が与えられる。神様は本当にいるのではないか、そんな清らかな気持ちになれる素晴らしい1冊だと思います。映像化できるような良い意味でライト感がある小説でもありますので様々な年齢層の方にぜひ読んでいただきたい。」
「亡くなった夫の過去を報告する弁護士の最後の言葉に、妻は最も心を揺さぶられた。 弁護士にも裁判官にも、職務上は求められないが、それでいて、いちばん大事なものは、こういう言葉ではなかろうか。」
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