メガバンク銀行員ぐだぐだ日記 目黒冬弥 (著) フォレスト出版 (2022/9/17) 1,430円

このたびの件、深くお詫び申しあげます

「上司に振りまわされる仕事」

現役銀行員が暴きだす、業界の恥部と醍醐味

――語らずにいられないこと

M銀行は最近、世間を騒がせるいくつかの不祥事を引き起こした。

多くの行員がその対応、事後処理にあたり、私もその最前線にいたひとりだった。

ニュースで報じられる事件の裏側には、現場で汗を流し、時に罵倒され、頭を下げている人たちがいる。

そんな生身の姿を知ってもらいたいと思った。

――四半世紀を超える銀行員生活で、語りたいこと、語らずにはいられないことがある。

●第1章より●
2021年2月28日、日曜日、私は家族で横浜中華街を訪れていた。
午後2時すぎ、緊急連絡用の携帯電話が鳴った。
「目黒課長、今、大丈夫ですか? 大きなシステム障害が起きていて、ATMが使えず、お客さんがあちこちで大騒ぎしているらしいんですよ。今から支店に来れますか?」
副支店長の慌てぶりが電話口から伝わってきた。
またか……。 「システム障害」という言葉に、このさきのことを考えると心が重く沈んでいった。

●もくじ●
まえがき――犯人捜し

第1章 3度あることは、何度ある?
某月某日 緊急連絡 : 「今から来れますか?」
某月某日 統合初日の悲劇 : ATMが動かない
某月某日 統一用語集 : マウントの取り合い
某月某日 2度目 : あの日と同じ光景
某月某日 休日返上 : ちらつく不安
某月某日 回収係 : 「お金はもう手元にないんです」
某月某日 罪と罰 : ウソツキで誠実な男の約束
某月某日 社運をかけたプロジェクト : 新システムへの移行
某月某日 そして3度目 : 大混乱のリモート会議

第2章 銀行の常識は、世間の非常識
某月某日 住宅ローン審査 : 銀行員の醍醐味
某月某日 結婚の作法 : 〝披露宴レクチャー〟の夜
某月某日 人事異動は突然に : 「明日の朝から行け」
某月某日 引き継ぎ : 通訳係は姉御肌
某月某日 顔に泥 : 完璧主義者の苛立ち
某月某日 口から出まかせ : 渾身のお願いセールス
某月某日 デスクワークの正体 : 寮に帰ってすることは…
某月某日 サマージャンボ : 不安→不信→喜び
某月某日 10億円融資 : ワンチームの目標
某月某日 全国トップクラス : 「期待される」という初体験
某月某日 マンモス支店 : 仕事がない
某月某日 血も涙もない : 花形になった日陰者
某月某日 ITバブル : 回収係は使い物にならない
某月某日 エリートコース : これが銀行のヒエラルキー
某月某日 投資信託を売る : 営業キャリアの絶頂期
某月某日 サービス残業 : 問われる忠誠心
某月某日 支店長の顔色 : なぜ若手はダメになっていくのか?

第3章 営業失格!
某月某日 営業人生の終わり : なんで、なんで、なんで…
某月某日 手取り17万円 : 給料も3分の1に
某月某日 エース営業マン : 「どうしてこんなことになった?」
某月某日 寵愛 : 形骸化する「内部管理責任者」
某月某日 防犯カメラ : 印鑑紛失事件
某月某日 ある嘱託社員の死 : かけがえのない仕事
某月某日 車椅子を導入せよ : 強力助っ人、登場
某月某日 振り込め詐欺 : 犯人VS警察の攻防戦

第4章 銀行業界のナイショ話
某月某日 お詫びの品 : 「反社だったらどうする?」
某月某日 シングルマザー : アヤシイFX取引
某月某日 熱意と実利 : 途絶えたメール
某月某日 抜き打ち監査 : 私生活にまで支障が
某月某日 人事評価 : 理想の上司ってどんな人?
某月某日 セカンドキャリア : 選べる立場にありません

あとがき――たったひとつのルーティーン

【発行】三五館シンンャ/【発売】フォレスト出版

著者について
目黒冬弥(めぐろ・とうや)
バブルの終わりごろ大手都市銀行に入行。地方都市や首都圏の支店で法人営業に携わる。紆余曲折を経て、窓口事務の管理者としてメガバンクM銀行に勤務する現役行員である。

「早速読んだ。なんなんだ、この男は。なぜここまで人のために尽くすのだろう。誰も褒めない。誰も評価しない。昇進もしない。1円の収入にもならない。ダーティハリーは正義のためにマグナムをぶっ放すが、この男は何をぶっ放しているんだ。ひるまない。自分の行動が陽の目を浴びずとも、黙々と遂行していく。孤独だ。この世界で独りぼっちだ。関心を持たれなくても善行を続ける姿に、涙腺がゆるんだ。」

「タイトルから想像出来ないくらい壮絶な銀行員の仕事内容が書かれていた。誰もが出世出来るわけじゃない、でも誰もが誰かのために働いている。そんなひとりの男の人生を綴っている。」

「銀行勤めしている人にはあるあるな面白い内容。辛くもある。支店が稼いでいた昔き良き支店の世界が見えます。」


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