千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女 武川佑 (著) 文藝春秋 (2021/3/26)

人の運命を踏みにじろうとする本当の敵は誰か?

峠で茶屋の給仕をする娘・小鼓は、ある日すべてを失うことになる。

都から来た高僧・青蓮院義圓(のちの義教)が、故郷坂本の町を焼き払ったのだ。

義圓は小鼓の父を追って、坂本までやってきたらしい。

なぜしがない足軽にすぎない父の命が狙われるのか? しかも父は「良兼」という小鼓の知らぬ名前で呼ばれていた。

義圓が父に向って刀を振り下ろす寸前、小鼓は父の前に飛び出した――。

その後の意識は小鼓にはない。

目を覚ました小鼓は、左の肩から先を失っていた。あのとき腕を切り落とされてしまったのだ。

なぜ私が腕を失わなければならなかったのか? 父親は何者なのか? この腕でどうやって生きていけばいいのか。

小鼓は、突如としてこの世の理不尽の渦に巻き込まれることになる。

だが、途方に暮れる小鼓が生き残る道を探る中で、父に手ほどきされた軍略の才能が自らにあることに気づく。

そうだ、誰も助けてくれないのなら、私は与えられたこの「力」で私を助ける!

小鼓は自らの力で戦場を渡り歩きながら父の謎を追い、そしてその謎の解明が、義圓への復讐心を育てていく……。

デビュー作『虎の牙』で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞した気鋭の書き手が放つ、渾身の書き下ろし長編。


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事