ファーストラヴ 島本理生 (著) 文藝春秋 (2020/2/5)

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。

彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。

環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。

環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。

なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?

臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。

そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。

「親子関係や恋愛関係において「そう思う私がおかしいのではないか」とか「そんなことをした私が悪いのではないか」とか自分の思いや感情を閉じ込めてしまう癖のある人が、自分を大切にし精神的に自由になれるきっかけとなる本になるのではないかと思います。
名前のついていない不快感や閉塞感に第三者が理解や分析を加えることで、説明ができるくらい言語化ができると、客観視ができるようになる。それほどまでに向き合い受け入れてもらえるということが、本人にとっては救いになるのだと思いました。」

「起こったことだけを見て判断するのか?その背景も考えて判断するのか・・・?
本当のことは当事者しかわからないということ、また物事にはいくつのもの側面があることを改めて考えさせられました。
文章は読みやすく、話が進むにつれていろいろな事実が判明してくるため読んでて楽しいと思います。
「誰が本当のことを言っているのか」と混乱する楽しみがありました。」

「誰でも被害者・加害者に成り得るということ。人間の感情はYESかNOかだけでは語れないこと。
当たり前のことに気づかされて、ハッとした小説でした。久々に良作にありつけて、今夜はぐっすり眠れそうです。」


(クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ファーストラヴ (文春文庫) [ 島本 理生 ]
価格:781円(税込、送料無料) (2020/12/9時点)

楽天で購入

 

 

おすすめの記事