
30歳の日葵は、疲れきっていた。
ブラック企業に疲弊して勢いでやめたものの、再就職しようにも気力がわかない。
不安で押しつぶされそうなある日、普段通らない路地裏に、古民家のお弁当屋さんを見つける。
イートインもあるらしい。

気づけば、いい香りの焼肉の香りに誘われてお弁当屋さんへ。
お弁当の中に、牧歌的な雰囲気や安らぎなどがぎゅっと詰まっている気がした。
店内にシェアハウスを募集している貼り紙を見つけ、思い切って申し込むことに。
弁当屋の店主・菜月は、口数が少なく職人気質で、テキパキと仕事をする。
その姿を見ているだけで安心できた。古民家の庭は木や花が植えられていて、猫や野鳥も自由に入ってくる。
料理が苦手な日葵は調理の手伝いはできないが、店を手伝ったり植物の世話をしているうちに、地域の人たちと知り合っていく――。
著者について
高森 美由紀
青森県在住。2014年『ジャパン・ディグニティ』で第1回暮らしの小説大賞を受賞。2023年に「バカ塗りの娘」として映画化される。主な作品に「みとりし」シリーズ、『花木荘のひとびと』『養生おむすび「&」 初めましての具材は、シャモロックの梅しぐれ煮』『山の上のランチタイム』『山のふもとのブレイクタイム』『藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房』『ちゃっけがいる移動図書館』『小田くん家は南部せんべい店』などがある。
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