我が愛しの歌謡曲 – 昭和・平成・令和のヒット・パレード 吉川潮(著) ワニブックス (2021/7/21)

演芸評論家にして、歌謡曲をこよなく愛する著者が、「近ごろの紅白は知らない歌ばかりで」とお嘆きの読者に贈る「昭和・平成・令和」の歌謡曲偏愛論。

日本を代表する作詞家である西城八十の評伝『流行歌 西城八十物語』を執筆した作家として、音楽評論家とは全く異なる視点で、同時代を生きてきた読者の共感を呼ぶ歌謡曲評論を書き上げた。

「歌は聴く者の記憶を呼び起こす。歌が流行ったころ、自分は何をしていたのかを思い出させるのだ」(本書より)。

本書のページをめくりながらしばし、自らの大切な思い出にひたって下さい。

第1章 戦後の流行歌時代
第2章 ムード歌謡というジャンル
第3章 団塊世代の人気歌手とヒット曲を論ずる
第4章 グループサウンズにおける歌謡曲性
第5章 ニューミュージックのシンガーソングライターたち
第6章 アイドルたちの名曲
第7章 平成・令和の歌謡曲歌手を論じる

「昭和・平成・令和のヒットパレードという副題になっているが、平成令和は第7章だけなので、ほとんどが戦後昭和の話である。1章につき、9から15個程度小テーマが設定され、各小テーマは1~3人程度の歌手を取り上げ、ミニ伝記、ヒット曲名、評価、エピソード等を書いている。
私的感想
〇よくまとまっていて、読みやすい。ノスタルジア本としては悪くない。
〇今でもよく知られている歌手ばかりで、そうでない歌手は出てこない。
〇一流人気歌手でも、出てこない人はいる。人気第1位の美空ひばりと第2位の島倉千代子は出てくるが、第3位のコロムビア・ローズは出てこない。そのため、大ヒット曲「東京のバス・ガール」は出てこない。大ヒット歌手兼大人気歌手で、戦後昭和のある一面を象徴する、水前寺清子も見当たらないようである。
〇とくに目新しいエピソードはないようだが、著者が高校3年生の時、いしだあゆみとデートしたという話は面白かった。」


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