あなたを愛しているつもりで、私は――。娘は発達障害でした 遠宮にけ (著) 宝島社 (2021/8/11)

【第8回ネット小説大賞受賞作】

深町夕子の娘、七緒は発達障害――自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)と診断された。

最初は、大人しくて賢い子なのだと思っていたけれど、だんだんと七緒は、奇妙なこだわりが強く、他者に興味を持たずコミュニケーションが苦手だということがわかってきた。

「発達障害」だという診断を受けて、夕子は七緒を障害児も受け入れる幼稚園のプレクラスへと通わせることに。

しかし七緒は周囲と馴染めず、問題が続いていき……。

「七緒はどうしたら“普通”になることができますか……」娘との関係、夫との関係、ママ友との関係、自分の母との関係。

“普通”とは違う娘を抱えながら悩み抜いた、母親の物語。

「一気に読み付箋もたくさん付けた。自閉症スペクトラムとADHD 混合型の娘を持つ母、夕子視点の物語。
とにかく、生活がリアル。追い詰められていく様子が切ない。知能は賢い娘が、人とうまく関われない。社会性に欠けている部分により周囲と衝突して内側に籠る生活を始めてしまう。
普通に合わせられない辛さよ…
ここから、さらに夕子の親との関わりから毒親問題の根幹の部分が分かり易く、描写されている。誰もが懸命に子育てしてるんだけどそれは、周りから『責められない』ためのところがある。
子が親の感情の世話をさせられている。とは、どういうことなのか?
明確に組み込まれており秀逸なのです。
ひたすら被害者意識があり逃げるような性格の夕子が現実を認め、少しずつありのままの娘を受け入れていくのが、励みになる。
似たような経験をしていなくても『責められたくない』恐れから人は多くの感情や行動を制限しているもの。
自分の中の恐れとは何か?それを自分に問う小説となっている
発達障害なんて他人事、とは思えないそんな誰もが抱える内面の困った癖についても考えさせられる」


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