巡礼の家 天童荒太 (著) 文藝春秋 (2022/12/6) 935円

いにしえより行き場を失った数多の人々を迎えてきた遍路宿「さぎのや」で、家出した少女・雛歩は自らの生き方と幸せを見つけていく。

「とにかく28章に参った。読み終えた今でも、その章を思い出すだけで泣ける。今ならはるかぜちゃんより早く泣ける(笑)」

「人生が迷子になっていると感じる方は読まれると良いと思います。人は理想を求めて遥か彼方へ旅をするのですが、旅の果てに出会うのはいったい何でしょうか。」

「殺人を犯した少女が拾われた旅館「さぎのや」。そこは、サギが神から許されて人間と暮らすことになった聖地であった。そこに暮らす少女は…。とこのような出だしで始まる新作は前作『ペインレス』で性の深奥に迫る試みとは180度内容が異なる。サギ神話に驚かされた。道後温泉の旅館「さぎのや」を舞台に拾われた少女の今後がどうなるか、楽しみである。四国の山奥の森と来れば、大江健三郎の『燃え上がる緑の木三部作』を思い出す。伝説・神話に彩られながら、人々は様々な問題に直面しつつも、めげずに生きていく。しかし、本書は共生の物語ではない。一人の少女の物語である。今後が楽しみだ。
お勧めの一冊だ。」


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