紀伊國屋じんぶん大賞受賞の臨床心理士・東畑開人氏が贈る新感覚の”読むセラピー”
家族、キャリア、自尊心、パートナー、幸福……。
心理士として15年、現代人の心の問題に向き合ってきた著者には、強く感じることがあります。
それは、投げかけられる悩みは多様だけれど、その根っこに「わたしはひとり」という感覚があること――。
夜の海をたよりない小舟で航海する。そんな人生の旅路をいくために、あなたの複雑な人生をスッパーンと分割し、見事に整理する「こころの補助線」を著者は差し出します。
さあ、自分を理解し、他者とつながるために、誰も知らないカウンセリングジャーニーへ、ようこそ。
東畑開人『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』読了。二項対立の概念で補助線を引いて心を分析していくとともに、相容れない要素が混じりあっていることこそが心の本質なのだと、分けたそれらを再び縒り合わせる。著者の繊細な臨床姿勢が伝わる一冊。#見つかる夜 pic.twitter.com/teItTETEyU
— とこた (@sstokota) March 18, 2022
【目次】
まえがき 小舟と海鳴り
1章 生き方は複数である 処方箋と補助線
2章 心は複数である 馬とジョッキー
3章 人生は複数である 働くことと愛すること
焚火を囲んで、なかがきを―なぜ心理士になったのか-
4章 つながりは複数である シェアとナイショ
5章 つながりは物語になる シェアとナイショII
6章 心の守り方は複数である スッキリとモヤモヤ
7章 幸福は複数である ポジティブとネガティブ、そして純粋と不純
「心理士・カウンセラーである著者が、「心に補助線」を引くという視点を通して得たこころの姿に近づいたり、苦しみを克服・調整したり、様々な幸せにアクセスしたりしながら、よりよく生きていくすべを明らかにします。」
「『居るのはつらいよ』の臨床心理士・東畑氏による書き下ろし作品。フィクションに再構成したクライアントの体験や彼らとの会話を事例として扱いつつ、生きづらさを感じる心と向き合うための「7つの補助線」を章を追うごとにひとつずつ紹介していく。個々人が「小舟化」して孤立しやすい現代の状況とリンクし、寓話仕立てのストーリーが全体を覆う。専門用語の使用は意図して抑制され、万人向けの「読むカウンセリング」を目指した著作として読める。」
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