氷の城 タリアイ・ヴェーソス (著), 朝田千惠 (翻訳), アンネ・ランデ・ペータス (翻訳) 国書刊行会 (2022/4/12) 2,640円

私はこの誓いを絶対に忘れない。

雪に閉ざされたノルウェーの田舎町。

11歳の少女シスの通う学校に、同じ年の少女ウンが転入してくる。

ためらいがちに距離を詰め、運命の絆で結ばれたふたりの少女が、それぞれの思いを胸に、森深くの滝の麓につくられた神秘的な〈氷の城〉を目指す……。

類稀な研ぎ澄まされた文体により、魂の交歓、孤独、喪失からの再生を、幻想的・象徴的に描き上げたヴェーソスの代表作。

凛とした切なさを湛えた、出会いと別れの物語。

【英ペンギン・クラシックス収録の20世紀世界文学の名作】

【1965年度北欧理事会文学賞受賞作】

【推薦のことば】
大人になっていくことの残酷さとイノセンスからの解放を、こんな風に鮮烈に描いた物語を他に知らない。
――山崎まどか(コラムニスト)

誰にも会いたくない日に読んだ。静かな言葉で書かれるからこそ、少女二人の燃えるような気持ちが胸にぎゅっと迫ってくる。
――朝吹真理子(作家)

なんと平明で、繊細で、力強く、類のない小説なのだろうか。唯一無二の、忘れがたい傑作だ。
――ドリス・レッシング(英・ノーベル文学賞作家)

世界で一番有名でないことが不思議な本をもし選ばねばならないなら、それはタリアイ・ヴェーソスの『氷の城』だろう。
――マックス・ポーター(英・作家)

私がこれまで出版した最高の小説
――ピーター・オーウェン(英・ピーター・オーウェン社社主)

著者について
20世紀ノルウェー文学を代表する作家・詩人。1897年、テーレマルク県ヴィニエ生まれ。主にノルウェーの自然豊かな田舎を舞台に、孤独や不安といった、根源的で普遍的な人間の感情を平易な文体で描き、独特な神秘の世界へと誘う作品を手掛ける。
代表作は『風』(1952)『鳥』(1957)『氷の城』(1963)などで、作品はすべてニーノシュク(ノルウェーの公用書き言葉のひとつ)で執筆した。北欧理事会文学賞、ヴェニス国際文学賞などの数々の文学賞を受賞し、ノーベル文学賞に幾度もノミネートされた。1970年逝去。
現在、世界的に再評価が進み、ペンギン・クラシックスをはじめ各国で作品が翻訳刊行されている。


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