喰うか喰われるか 私の山口組体験 溝口敦(著) 講談社 (2021/5/17)

田岡時代から山一抗争、五代目体制発足、山竹戦争、宅見勝若頭暗殺、六代目クーデター、分裂抗争ーー暴力団取材の第一人者として大物ヤクザたちと対峙してきた著者がはじめて明かす生々しいやりとり。

渡辺芳則五代目や宅見勝五代目若頭との息詰まる攻防、一和会大幹部の常人離れの乱行、「女傑」山健秀子夫人、竹中武竹中組組長の侠気、中野太郎中野会会長が語ったこと……ここに山口組の「菱のカーテン」の内幕がすべて描かれる。

自らを刺傷され、編集部に暴漢が押し寄せ、息子までが狙われる――三度の襲撃に見舞われながら、日本最大の組織暴力と真っ向立ち向かい続けた著者による、半世紀にわたった戦いの記録。

第一章「血と抗争」を出す 短命に終わった「月刊”TOWN”」
第二章 山一抗争 プロのライターへの船出
第三章『荒らぶる獅子 山口組四代目』 竹中兄弟の侠気
第四章「山健一代記」 渡辺芳則との食い違い
第五章『五代目山口組』刊行と襲撃事件 緊張の日々
第六章 もうひとつのFRIDAY襲撃事件 『民暴の帝王』でおちょくる
第七章 同病相憐れんだ伊丹十三 チャイナ・マフィアの根城に乗り込む
第八章 宅見勝暗殺事件 中野太郎との会話
第九章 渡辺芳則への嫌がらせ 『食肉の帝王』と『山口組経営学』
第十章 山健組は「事故体質」か 息子も刺された
第十一章 弘道会最高幹部との対決 『魔女の履歴書』
第十二章 山健組に実質勝訴 差し出された和解金
終 章 近づいた山口組の終焉 最期まで見届けるか

著者について
溝口 敦
ノンフィクション作家。ジャーナリスト。1942年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、フリーに。著書には『暴力団』(新潮新書)、『血と抗争 山口組三代目』『山口組四代目 荒らぶる獅子』『武闘派 三代目山口組若頭』『ドキュメント 五代目山口組』『山口組動乱!! 日本最大の暴力団ドキュメント2008~2015』などの山口組ドキュメントシリーズ、『食肉の帝王』(以上、講談社+α文庫)、『詐欺の帝王』(文春新書)、『パチンコ30兆円の闇』などがある。『食肉の帝王』で第25回講談社ノンフィクション賞を受賞した。

「「五代目山口組」の出版をめぐっては暴漢に襲われ、別件では掲載元の「FRIDAY」編集部スタッフや自身の息子までもが襲われながらも自分の立場を貫き通す姿勢はやはり見事というほかない。
50年にわたって山口組をはじめとする暴力団やタブーに触れる存在を取材してきたジャーナリストの回顧録として実に読み応えがあり、痛快だった。
時に激昂を抑えられなくなる著者の性格やジャーナリストとしてのサバイバル術が正直に書かれているのも楽しい。」

「単純に面白い。溝口敦のヤクザジャーナリストとしての集大成で自身の過去の取材体験と菱取材50年の集大成である。」

「取材する者と取材される者との間にある垣根を外そうとはしなかった–「まえがき」の1行目から引き込まれる。山口組をテーマにしたデビュー作は「おカネが目的」。ヒットし「山口組を食い物にできた」。こんな迫力ある書き方は溝口氏しかできない。圧倒される。」


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