名称未設定ファイル 品田遊 (著) 朝日新聞出版 (2022/11/7) 880円

SNS、炎上、AI、ブログ、掲示板、同窓会、空論。インターネットで活躍するダ・ヴィンチ・恐山こと、作家・品田遊本領発揮の短編集。

幻の名著、読者熱望の文庫化!

著者最新書籍『キリンに雷が落ちてどうする』も同月発売予定!

「凄く面白かったです。勝手な所感ではありますが、小説全体から「自意識が肥大した時に感じる不安と面白さ」を味わうことができました。また、断片集と言うのでしょうか、このようかスタイルの小説を読む機会が数えるほどしかないので、それもあってか、新鮮な気分で読み進めることができました。断片達の相互の関係性を想像するのもとても面白いと思います。断片ごとに一旦本を閉じても、あの「途中で閉じた長編小説を、また読みはじめた時」に感じる「わからねえ?忘れた?」という感じ、置いてけぼり感を感じることなく読み進めることが出来るのも、ストレスがなくて良かったです。」

「どの作品も珠玉ですが、私は特に一番最初の「猫を持ち上げるな」に驚きました。ネット上で話題が拡散し、誰もが好き勝手に意見を言い合って次第に収拾がつかなくなっていく、という現代ならではの事象が描かれており、ネットを覗くたびに心を覆うモヤモヤ感が昇華されたように感じました。
この作品に限らず、簡素な文体で編まれた物語ですが、作者は人間をよく観察しているな、ということがわかります。誰もが素通りしてしまう出来事を目ざとく拾い集めることが品田さんの持ち味なのではないでしょうか。
『ダ・ヴィンチ・恐山』としてのオモコロやツイッターでの活動も大好きですが、品田遊としての今後の活動に目が離せません。」

「前作止まり出したら走らない、では日常生活をテーマにしたざんちの鋭い観察眼が光っていた。
今作のテーマは科学、とりわけ情報科学を取り入れた短編が多く見られた。情報と言えば実態がないものである。あるのは理屈のみ。そこにざんちの究極ひねくれ理屈屋思考がハマりにハマっていた。読み進める度、ああこういう理屈ね、最高、と思わされる。このスッキリ感を是非味わって欲しい。
ただ、2chの描写はリアル過ぎて嫌だった。」


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