娘が巣立つ朝 伊吹有喜 (著) 文藝春秋 (2024/5/13) 1,980円

どうしてなんだろう――

それでも人はつながろうとする。

高梨家の一人娘・真奈が婚約者の渡辺優吾を連れて実家に来た。

優吾は快活でさわやか、とても好青年であることは間違いないが、両親の健一と智子とはどこか会話が噛み合わない。

真奈は優吾君とうまくやっていけるのか? 両親の胸にきざす一抹の不安。

そして健一と智子もそれぞれ心の中にモヤモヤを抱えている。

健一は長年勤めた会社で役職定年が近づき、最近会社での居心地が良くない。

週末は介護施設の母を見舞っている。将来の見通しは決して明るくない。

智子は着付け教室の講師をして忙しくしているが、家で不機嫌な健一に辟易している。

もっと仲のいい夫婦のはずだったのに……。

娘の婚約をきっかけに一家は荒波に揺さぶられ始める。

父母そして娘。三人それぞれの心の旅路は、ときに隔たり、ときに結びつき……

つむがれていく家族の物語。


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