1万4千の島々が連なる日本列島は、ユーラシア大陸の東縁でその土台ができ、やがて分離。
3万8千年前に人類が上陸し、歴史を紡いできた。変化に富んだ気候が豊かな資源を生み、国土を潤す。
本書は、時空を超えて島国の成り立ちと形を一望し、水、火、塩、森、鉄、黄金が織りなした日本列島史を読み直す。
天災から命を守り、資源を活かす暮らしとは。
地学教育の第一人者が、列島で生きる醍醐味をやさしく解説する。
読み終えました『日本列島はすごい 水・森林・黄金を生んだ大地』(伊藤孝 中公新書)。
今の日本に住む人にとっては、日本列島はあまりにも「当たり前の場」だろう。しかしその成り立ち、気候、資源、そして火山。こんな場が他にあるだろうか。あとがきで引用されている『日本沈没』の言葉には納得 pic.twitter.com/IIRNIh4rV5— 織原荘一 (@s_orihara) May 11, 2024
「ところで本書の唐突で漠然としたタイトル”すごい”は何を意味しているのか?と考えてしまうのですが、我々は地球上で奇跡的なめぐりあわせによって誕生した列島上に生きていること、きっとそれらが”すごい”という意味なのでしょう。
著者は理学部で地球科学を学んだ地質学者のようですが、ブラタモリ的トリビア的地質学といいうよりも、地球物理学に重きを置いた内容ですね。地球における陸塊の形成から大陸の分裂、さらには日本列島の誕生のメカニズムについて解説にはじまり、日本列島の大陸・大洋との位置関係、大気・海水の循環、地殻・マントルなど地球深部との関係、それがらもたらされる多くの恵み、さまざまな災害等について詳しく述べられています。なるほど日本列島とはそういうところなんだと納得。」
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