184首の名歌と共に語られる、西行の魅力のすべて。
「願はくは花の下にて春死なむ」――どうすれば西行のように清々しく生きられるのか。
出家の背景、秀歌の創作秘話、漂泊の旅の意味、桜への熱愛、無常を乗り越えた「道」の思想、定家との意外な関係、芭蕉への影響……偉才の知られざる素顔に迫る。
西行一筋60年、西行歌集研究の第一人者がその魅力を語り尽くす決定版。
著者は慶應義塾大学名誉教授で、西行歌集研究の第一人者。
誤った形で現代に伝えられてきた西行の歌の数々を本来の姿に復元し、岩波文庫『西行全歌集』でもその仕事が特筆された碩学です。
『新古今和歌集』に最多の94首が撰入された歌人としての西行はもちろん、「旅」「桜」「道の思想」「仏教と神道の共存」など文化史における西行の知られざる事績を分かりやすく紹介してくれる一冊です。
寺澤行忠(てらざわ・ゆきただ)
1942年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了。慶應義塾大学助教授・教授を経て、現在は名誉教授。文学博士。専攻は日本文学・日本文化論。『山家集の校本と研究』『西行集の校本と研究』(いずれも笠間書院)、『アメリカに渡った日本文化』(淡交社)、『ドイツに渡った日本文化』(明石書店)など。
「西行に興味があるけどよく知らない、歌は好きだから時代背景が知りたい等、とにかく手に取って欲しい1冊。偏りの無い平明な文章も好感が持てます。読み飛ばしそうな「おわりに」を是非読んで下さい。」
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