現代生活独習ノート 津村記久子 (著) 講談社 (2025/5/15) 770円

「リフレッシュ休暇をもらったが、もはや私にはリフレッシュする気力自体が残っていなかったのだった。」

入社希望の学生のSNSチェックに疲れ果てた会社員。

代々続く母と娘の台所戦争。

遅れても許せてしまうことが美点のロバによる配送サービス……。

膨大な情報の摂取と判断に疲れてしまった現代人の生活に寄り添うやさしさと、明日を生きるための元気をくれるユーモア満載!

味気ない日々をゆるゆると肯定し、現代人の張りつめた心をゆるめる短編集。

「もう何もしたくないという切実な本音に寄り添ってくれる稀有な小説」――金原ひとみ

本屋大賞2位『水車小屋のネネ』、Xで何度もバズった芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』など、書店&SNSで話題を集める著者による、「脱力系」日常譚の真骨頂!

著者について
1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で太宰治賞を受賞してデビュー。’08年『ミュージック・ブレス・ユー!!』で野間文芸新人賞、’09年「ポトスライムの舟」で芥川賞、’11年『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞、’13年「給水塔と亀」で川端康成文学賞、’16年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、’17年『浮遊霊ブラジル』で紫式部文学賞、’23年『水車小屋のネネ』で谷崎潤一郎賞を受賞。同作は’24年本屋大賞2位に。他に『カソウスキの行方』『とにかくうちに帰ります』『つまらない住宅地のすべての家』『やりなおし世界文学』『うそコンシェルジュ』などの著書がある。

「ネットにあふれかえる、知り合いや同業者の自画自賛、(見返り期待の)仲間褒め、自己宣伝・・に心をくじかれそうな人。

ネット時代ならではの不気味さと不快さで迫ってくる、「他人」の視線や要らぬお節介、わかったような「アドバイス」に辟易している人。

そうしたネガティブな心理状態にある自分自身を情けなく思いつい責めてしまう生真面目な人。

黒電話と手紙しかなかった時代に生まれたかったとつい考えてしまう人。

そうしたあなたや私のような人がこの時代を正気で生き抜くために何が必要なのかを教えてくれる小説でした。投げやりにではなく、自尊をかけて、「私は私」と言うために。」

「SF的なもの、欧米の短編みたいなものとバリエーションに富んだ小説が並ぶ。他の評者が推す「牢名主」はちょっと示唆に富んだサスペンス小説で面白いが、「ディス・イズ・ザ・デイ」が好きな私のお薦めは「メダカと猫と密室」である。
所収作の中では珍しく動きのあるコントみたいな小説で、ドラマ化したら誰を配役するのかを考えるのも楽しい。
私なら主演はあの最近人気の女優にオファーを出すと決めているのだが、それはここでは言わずにおこう。」

「作品はどれもハズレ無し。なんど読み返しても飽きない大好きな作家さんです。」


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