日本人は論理的でなくていい 山本尚(著) 産経新聞出版 (2020/10/2)

ノーベル受賞者たちは日本的感覚の持ち主だ

全国紙すべてが報じたノーベル賞候補で、77歳現役科学者が初めて語る日本人論と発想法。

武田邦彦氏推薦
山本先生は世界が認めるトップ科学者で、ご専門の化学の研究と並んで教育、学会にも大きな貢献をされた。その集大成ともいうべき「創薬」で日本を再び世界一にする大発見をされた。本書はそんな先生の熱意がこもる日本復活論だ。

「日本人的発想は素晴らしいと教えてくれる本。
新聞広告で見た“ソロバンの答えは「出る」のであって「出す」のではない。矢は的に「当たる」のであって「当てる」のではない”が気になって購入しました。
ノーベル賞候補にもなっている世界的に有名な化学の先生、いわば理系のトップが書かれた本なのに「論理的でなくていい」とタイトルに打ち出すギャップも面白いです。
日本人は内向型で集団意識が強く、個を埋没させようとする傾向にありますが、それが必ずしも悪いことではなく、たとえば職人の親方が弟子に言う「見て盗め」や茶道などの「形から入る」的な日本人的発想が、逆に創造力を高めるのに必要だということが書かれています。
マニュアル通りに教えられて何かをするのではなく、どうしてこの器や所作が美しい完成形になったのか考える作業を繰り返していくうち、ある日ふと答えが出る。これこそが「気づき」であり、ノーベル賞受賞者たちの論理的でない発想に近く、世界で唯一日本だけが持つ発想だというものです。

自己主張せよ、個性的であれとされる、欧米の外向型思考がもてはやされる現代社会のありかたに戸惑いを感じる日本人に「これでいいんだ」と自信を持たせてもらえる本だと思います。」

「日本特有の文化とは何か。自然科学とは、西欧の主客二項対立の産物である。
これに対し、日本人は二項対立的思考をしない。「主客一如」である。
自然とは対立せず、論理も介入せず只、見る。世界を「縁」として捉える。体得する。自ずから然りである。
道元の「正法眼蔵」は、そこを言語化した最高傑作である。
没我・没入し自然と一体となる。「フロー」と言っても良いし、スポーツの世界では「ゾーン」とも呼ばれている。」

「化学者を目指す人にはお勧めかも。感覚やフィーリング型を重視というところに惹かれて買いましたが、そこはあまり深堀りされていなかった。ただの体験的な感覚のエッセイだと思いました。」


(クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事