武士マチムラ 今野敏(著) 集英社 (2017/9/26)

1829年、沖縄(ウチナー)の泊村で生まれた松茂良興作(まちむらこうさく)、幼名・樽金(たるがね)。

沖縄の武術、「手(ティー)」に魅了され、薩摩の支配下で沖縄人が理不尽な扱いを受けることに憤る、正義感の強い少年だった。

樽金には、一度見た「手」をほぼ記憶する特異な才能があった。

父から「手」の基礎を習い、元服を迎えて興作を名乗ると、高名な泊の武士(ブサー)のもとで本格的な修行に入る。

伝説の武士・松村宗棍(まちむらそうこん)からも「手」の型を教わり、めきめきと腕を上げていった興作は、
ある日、沖縄人に狼藉をはたらく薩摩藩士と対峙し、手ぬぐい一本で剣を打ち負かしてしまう。

これにより武士マチムラの名が世に広まるが、薩摩の目を逃れるために、興作は放浪の旅を余儀なくされる。

やがて明治維新の荒波が沖縄を襲い、琉球王国がヤマトに消滅させられてしまう。

興作は若者に「手」を教えながら、反ヤマト派の活動を始めるのだが――。

空手の真髄と沖縄のあるべき姿を追い求めた男の、波瀾の生涯を描く。

今野敏のライフワーク、琉球空手シリーズ第四弾!

空手家・今野敏の面目躍如たる労作『武士マチムラ』

「「義珍の拳」「武士猿(ブサーザールー)」「チャンミーグヮー」に続く今野敏の琉球空手シリーズの最新刊です。伝統空手マニア特に琉球空手が大好きな人は彼の小説を読むしかないでしょう!彼の書く空手小説の主人公はホントカッコいい!実はうちの先祖はかつての薩摩藩の武士だったので、この小説の中では主人公の敵役なんですね。読んでて少し複雑な気持ちになりましたが、でも気持ちはやっぱり主人公を応援したくなるんです!(ご先祖様すみません)
でも空手をテーマとする今野敏の作品で私が一番好きなのは「琉球空手、ばか一代」です(笑)」

「空手を学ぶ者です(下手の横好きレベルですが)。下手なりに長くかかわっているとわかることもあり、わかることがあるからこそ疑問に思うこともあり…この作者の空手関係の小説は非常に興味深いしためになります。
もちろん、話自体も面白いです。空手関係者ならばお勧めです。」

「本書を読み進んだこの一週間、一切スマホを見る事が無かった。スマホを見る時間があったら本書を読み進めたい。その位面白い本だった。本年読んだ本の中でもトップ3に確実に入るだろう。
しかし、本書を手放しで楽しめるには、今野氏の名前と武士マチムラと言うタイトルを見ただけで、「ひょっとして!?」と思うぐらいの知識が必要だと思う。本書の中で説明をされなくても、事前に那覇手・首里手・泊手と言う言葉と、その大まかな違いを知っている事。そこにナイファンチを実際にやった事があれば完璧。」


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