「アラブの春」で言われた「民主化」や「自由」は、私たちが通常思い浮かべる「民主化」や「自由」とはまったく違っていた!
1歳になったばかりの娘を連れて、夫とともに「アラブの春」の只中にエジプトの首都カイロに降り立った著者。
そこで体験した強烈な出来事、危険な事件の数々。
・運が悪ければ即死! 頭上からバルコニーが落ちてくる
・イスラム大物指導者から「おまえは全身恥だ」と言われる
・女性一人で街を歩けばセクハラの嵐
・異教徒は下級市民として人頭税を払わされる?
・エジプトのスラム街の悲惨な実態……
「アラブの春」の渦中、独裁政権が倒れたあとの波乱万丈の日々を、持ち前のタフなメンタリティで生き延びた日本人女性イスラム研究者の日常を描く、ノンフィクション・エッセイ。
混乱の時代に出会った人たちと、いつかどこかの空の下で再会できますように!
エジプトの空の下 わたしが見た「ふたつの革命」飯山陽
イスラムの法による、自由・平等・平和などの意味が良く分かる本。
著者の命懸け体験談に感銘すること多い。
ユルイ時代のカイロしか知らないので、驚き満載であった。 pic.twitter.com/s96WNE1oeD— yama takashi (@yamatakashi) February 16, 2022
【目次】
1 娘と親友とサラフィー運転手
2 ピラミッドを破壊せよ
3 頭上注意
4 バット餅
5 出エジプト
6 髪を隠す人、顔を隠す人
7 ファラオの呪い
8 エジプトのアルカイダ
9 牛の腹
10 ふたつの革命
私が住んでいた2011年から2015年にかけてのエジフ゜トは、政治、経済、社会、治安の全てが不安定で、あらゆる面において混乱していました。治安がいい時期というのはあまりなく、悪い状態が恒常化しており、時には極めて悪くなりました。爆弾テロや銃撃、誘拐などが頻発する時期もありました。自宅の近所を含め、カイロ市内で毎日数回これらの事件が発生するようになると、私は被害にあうのを避けるために極力外出を控え、「家にいる」ようになりました。(本文より)
著者について
飯山陽(いいやま・あかり)
1976年生まれ。東京都出身。イスラム思想研究者。アラビア語通訳。上智大学文学部史学科卒。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。著書に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『イスラム2.0』(河出新書)、『イスラム教再考』(扶桑社新書)、『イスラームの論理と倫理』(共著、晶文社)がある。
「「事実」を見ていない人が「知った」顔して伝えている。・・・その人々への飯山さんの「学問的」攻撃。この本で飯山さんのバックボーンが理解できる。感じるのは飯山さんの「正義感」である。素晴らしい本!」
「テレビや新聞で聞かされていたイスラムとは全く違うことが理解できました。文化の違いは思っていた以上に深刻な問題で、メディアが伝えない事実を知ることができました。飯山陽博士の他の著書も読んでみたいと思います。」
「今の飯山あかりさんの今がある事の原点を垣間見た。」
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