まともに思えることだけやればよい。
荻窪の書店店主が考えた、よく働き、よく生きること。
効率、拡大、利便性…いまだ“高速回転”する世界に響く抵抗宣言エッセイ。
ブレイディみかこ氏、いしいしんじ氏、絶賛!!
“本に携わる人間にとり、
「命の洗濯」とはこのような本を読むことかもしれない。
「そうあってほしい世界へと手を伸ばす、
ものいわぬ意志」を感じさせる本”
―――ブレイディみかこ(ライター)
“この世でもっともユニークな場が、
町でいちばんの「あたりまえ」の本屋さんでもある。
毎朝シャッターをあけるたび、
辻山さんはそんな奇跡に立ちあっている”
―――いしいしんじ(作家)
『小さな声、光る棚』
2016年から続く幻冬舎plusでの連載が加筆修正され書籍化。
荻窪の書店「Title」の店主、辻山さんのエッセイ集。
本を届け続ける営みの中で紡がれた言葉には、思考と実践から生まれたしなやかな強さが宿っています。#小さな声光る棚 #辻山良雄 #Title #幻冬舎 pic.twitter.com/ypYGRe81DQ— うさぎや (@USAGIYATSUTAYA) July 2, 2021
<目次>
本のこと、店のこと
本屋は動的平衡/福の神/旗を立てる/ブックスキューブリック/後からのまなざし/小さな自由/Oさんの野球帽/「ここにある本はわからない」/覆水盆に返らず/ずっと、店にいる/添えられた手/本を運ぶ労働者たち/傍観者ではいられない/〈貧しさ〉について/シンボルスカと良心、小商い/何も知らなかった/「おじさん」の背中/声にふれる/本という共通語/穴あきの平積み
通り過ぎたものたち
偶然をむすぶ町/二人の職人/いま読みたい本を買うのではない/閖上の夜/母の「労働」/農夫の手/街の避難所/記憶の店、遠い街/高田馬場の喫茶店/小さなシステム/虹の彼方に/朝のショベルカー/父と「少年ジャンプ」/夜が明ける/わたしにはなにもないから/途方にくれる大人/給水タンクの午後/ある夢にまつわる話/Hの微笑み
コロナ禍の書店
二〇二〇年、三月/いま身にしみること/それもまた一日/店を続ける力/誰かといること/再開のとき/歩きながら考える/伝えきれなかったこと/ドラえもんの辞書/それは「たまたま」でしかない/取り残された<体>/来る日も来る日も また次の日も/荒波を進む船/その人に棲む少年/分けることば、癒すことば/自分に合った服/キリンの松/わたしはもう戻らない
著者について
東京・荻窪の新刊書店「Title」店主。1972年兵庫県生まれ。大手書店チェーンリブロ勤務ののち独立し、2016年1月荻窪に「Title」を開く。書店経営の傍ら書評やブックセレクションの仕事も行う。著作に『本屋、はじめました』(苦楽堂、ちくま文庫)、『365日のほん』(河出書房新社)、共著に『ことばの生まれる景色』(nakaban=絵、ナナロク社)がある。
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