熔ける 再び そして会社も失った 井川意高 (著) 幻冬舎 (2022/6/27) 1,760円

カジノで106億8000万円を失い、会長辞任、獄中へ。

そして懲役4年の刑期満了後に、再びカジノへ。

リベンジの舞台は韓国ソウルの「ウォーカーヒル」

3000万円が9億円にまで増えるマジックモーメント(奇跡の時間)を迎える。

果たして、負けを取り戻す夢物語か、破滅への一里塚か。

ギャンブラー井川意高によるバカラ放蕩記。

しかしその裏ではギャンブルよりも血がたぎる、現会長佐光一派による井川家排除のクーデターが実行されていた。

「大王製紙から井川家を排除し、自らの地位を盤石とするために、佐光は300億円も無駄金を上乗せして会社に損害を与えた。「他人のカネ300億円で買った社長の座」は、さぞかし温く心地良いことであろう。これこそ特別背任ではないか。しかも、私の金額の3倍である。有罪とすれば懲役12年だ。」(本文より)

大王製紙を舞台にした血みどろ裏切りノンフィクション!

著者について
1964年、京都府生まれ。東京大学法学部卒業後、1987年に大王製紙に入社。2007年6月、大王製紙代表取締役社長に就任、2011年6~9月に同会長を務める。社長・会長を務めていた2010年から2011年にかけて、シンガポールやマカオにおけるカジノでの使用目的で子会社から総額約106億8000万円を借り入れていた事実が発覚、2011年11月、会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕される。懲役4年の実刑判決が確定し、2013年10月から2016年12月まで3年2カ月間服役した。著書に累計15万部のベストセラーとなった『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』(双葉社、のちに幻冬舎文庫)のほか、堀江貴文氏との共著『東大から刑務所へ』(幻冬舎新書)がある。

「次の社長に裏切られて井川家が大王製紙から追放された云々と書いていますが、完全に独りよがり。上場企業が社会の公器であるという意識が皆無ですね。上場しているのに終始一貫、大王製紙=井川家の所有物という意識が抜けない。3年以上収監されたのにまだ気付いていない。身から出た錆。」

「ギャンブルで地位を失い前科者になった著者が、それでもギャンブルを続けてしまう顛末や、血縁者の裏切りで会社を追い出されるさまなどありのままを正直に書かれていて読みごたえはあった。
しかし、金もあり(事件後もフェラーリを爆買いするほど有り余るお金を持っているようだ)頭脳もありギャンブル以外は真っ当な経歴の著者が、なぜ出所後もこんな風にギャンブルを武勇伝みたいに語り恨み節を垂れているのだろうか。
頭を丸めて出直せば、チャンスはいくらでもあるはずだと思うが、まともなアドバイスをする人が周りにいないのだろう。
著者はお金があるために、あたかも事件を起こしてもあなたを助けますよという著名色物系の人たちが周りにいて囃し立ててくれるから、本当の意味での出直しができないのだろう。
今の仲間たちは著者が完全に文無しになってしまえば、誰も助けはしないだろう。
フェラーリ爆買いなどのエピソードとは裏腹に、読後感にはもの悲しさが漂った。」

「カネに溺れ、権力に目をくらます業の深さが描かれていて面白い。
一方で井川さんの刑務所に入ってからの達観と自己分析は良くというものはあくまで相対的なものなんだなと気付かせてくれる。」


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