消えてしまったあなたへ――
突然の失踪。動機は不明。音信は不通。
足取りを追って見えてきた、失踪人たちの秘められた人生。
喪失を抱えて立ちすくむ人々が、あらたな一歩を踏み出す物語。
「知っている人がいて欲しい」
主婦の上田亜矢子は、疎遠だった弟・和也が消えていたと知り驚愕する。
行方不明者捜索協会に依頼して、担当になった西山静香と、和也の行方を追うことに。
和也と時間を共にした人たちから聞かされる話は、亜矢子が知っていた弟とは違っていて……(「第一話 弟と詩集」)。
行方不明者捜索協会を訪れる依頼人と、そこで働く西山静香。
消えた人の人生を「物語」と呼ぶには、ある事情があって――。
捜索のはてに、彼らがみつけたものとは。感涙の連作集。
「真実なんて誰にもわからないんだよ。だったら好きな物語を、大切にしていけばいいじゃないか。僕は静香が作ってくれた、僕の物語が大好きだよ。その物語のお蔭で、過去に囚われずに生きてこられたって思ってる。だからいいんだよ。真実なんてどうだって。……」
残された人が編む物語/桂望実 #読了 pic.twitter.com/A5J78DHno8
— ノンマルトの末裔@読書垢 (@YU91542199) August 11, 2022
「SNSでお見かけして購入しました。タイトルにも惹かれましたが読んでいくうちにどんどん続きがしりたいと思う良書です^^
自信を持っておススメします!」「面白いし、よいお話だと思う。
…が、疎遠になって日常に紛れてどうでもよかった対象に、手遅れになってから何故物語りが必要なんだろう?というどうにも情緒に欠けた疑問が…ただ悼むだけでは足りないのは後ろめたさなのか、生きてる人には「糧」が必要だからなのか。
各話、「この関係性の場合、自分なら物語りを欲するだろうか?」と考えながら読んでいた。」
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