わたしの体に呪いをかけるな リンディ・ウェスト(著)、金井真弓(翻訳) 双葉社 (2022/1/20) 2,530円

笑うな。哀れむな。値踏みをするな。わたしの体はわたしのものだ。

体型への固定観念、生理や中絶への偏見、ネットの誹謗中傷、ジョークの顔をした性暴力…

自分(わたし)から人生を奪うシステムを吹っ飛ばせ。不屈のユーモアと怒りの半生記。

[岡田育さん(文筆家)推薦]
リンディはオタクでフェミニストでコメディアン。冴えない青春時代を生き延びて、下劣なバッシングとクソリプの嵐をかいくぐり、物言うしぶとい大人になった。彼女の人生を読み進めるうち、自分の身に起きた悲しい出来事もみんなジョークに変えてもらえる気がしてきた。きっとこの人となら、何だって一緒に面白おかしく笑い飛ばせるだろう。でも、それで私たちの怒りの炎が消えるわけではない。身体に心に深く刻まれ、人知れず泣きながら癒してきた無数の傷を、私たちは忘れない。尊厳を踏みにじってくる奴らに、「ねえ、マジで笑っちゃうほど痛いんですけど、聞こえてる?」と叫び続け、けっして黙らずにいたい。自分らしく生きるために、俯くのをやめて真顔のまま笑おう。

太った体に対する社会の偏見に悩みながら育ったリンディ。

大人になり、やがてありのままの自分を愛せるようになり、ジャーナリストとして自分の声を発するようになった彼女を、体形をネタにしたインターネットトロールの誹謗中傷が襲い始める。

そして、自分が属するコメディ業界の女性蔑視体質に声をあげたことで、攻撃はピークに達し……。

あの手この手で「おまえは不完全な存在だ」と刷り込み、制御しようとする男性優位社会にノーを言い続ける“うるさい女”の自伝的エッセイ。

本作をもとにしたHuluドラマ『Shrill』が現在、シーズン3まで放送中。

著者について
[著者プロフィール] リンディ・ウェスト
作家、評論家、コラムニスト、脚本家。2005年より執筆活動を始め、The Strangerを皮切りにJezebel・The Guardian・The New York Timesといった媒体でコラムを執筆。2016年の『Shrill(本書原著)』、2019年の政治文化批評『The Witches Are Coming』、2020年には映画評をまとめた『Shit, Actually』と、これまでに3冊の著書を刊行している。

[訳者プロフィール] 金井真弓(かない・まゆみ)
翻訳家、大学非常勤講師。『#Me Too時代の新しい働き方 女性がオフィスで輝くための12カ条』(文藝春秋)、『マリア・シャラポワ自伝』(文藝春秋)、『決定版 ネゴシエーション3.0』(ダイヤモンド社)、『欲望の錬金術――伝説の広告人が明かす不合理のマーケティング』(東洋経済新報社)など訳書多数。


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