雲上雲下 朝井まかて (著) 徳間書店 (2021/3/11)

「物語が世界から消える? 」

子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。

民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う!

「全体の形があらわになった瞬間、全身に鳥肌の立つような感動を覚えた 」
阿部智里(作家)

【出版社からのコメント】
朝井さんと日本各地へ行き、昔から伝わるお話を聞かせていただきました。
湖や地方の山、遺跡に滝。
ブナ林の中を走り回り、田んぼの中で偶然みつけたお地蔵さんを拝んだことも。
そんな四季折々の一瞬一瞬が集められ、物語となり、生き物のように動きはじめました。
「物語よりおもしろいものがある」
と言われる厳しい時代の中、朝井さんが命を吹き込んだ“物語たち“は世界に問いかけます。
物語たちがいなくなってしまったら、どうするでしょうか?
本作品が、物語に関わるすべての人に届いたらと切に願っております。

昔、むかしのそのまた昔。深山の草原に、一本の名もなき草がいた。
彼のもとに小生意気な子狐が現れ、「草どん」と呼んでお話をせがむ。
山姥に、団子ころころ、お経を読む猫、そして龍の子・小太郎。草どんが語る物語はやがて交錯し、雲上と雲下の世界がひずみ始める。
――民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う。
不思議で懐かしいニッポンのファンタジー。

「風が吹く、嵐ってなんだろう? 雨が降る、雪が降る、人は大自然の姿を謙虚に受け入れよう。この小説は、我が国の昔話や物語が心豊に描かれている。外国での知識はないが、ここで語られる様ざまなお話は、日本人なら誰でもが知っているであろう事件であり、伝説ではなかろうか。知識でなくても感覚として受け入れるに容易な小説である。もしもあなたが初めて知る出来事であったとしても、日本人なら誰でも心豊に受け止めるに違いない物語なのである。であるから、全てを委ねながら、文章を素直に謙虚に読まれますよう、お薦めいたします。」

「NHKラジオ「日曜名作座」で毎回聞いているうちに原作を読みたくなり、購入しました。日本昔話をモチーフにしながらも作者の世界観を随所に感じられ、とても楽しく読むことができました。現代日本人の心からが忘れさられつつあるかもしれない民話の世界、子ども時代に毎週目を輝かせてみた「まんが日本昔話」の世界を思い出させてくれる作品だと思います。多くの方々(特に若い世代の方々)に読んで欲しい作品です。」

「読み進めていくと知らない言葉や文字が出てきます。不思議な世界に吸い込まれていくようで、理解できない文章は何度も読み返し、声に出して読んでみます。自分がその中に入っていくような、初めて味わう本の世界です。」


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