「私」という男の生涯 石原慎太郎 (著) 幻冬舎 (2022/6/17) 1,980円

「自分と妻」の死後の出版のために書かれた自伝

弟・裕次郎や家族への愛と感謝、文学・政治への情熱と悔恨、通り過ぎていった女たちへの思慕と感傷……。

太陽のような輝きで、この国を照らし続けた男が死して初めて明かす「わが人生の証明」。

死の瞬間にも意識だけははっきりしていたいものだ。出来ればその床の中で、有無言わされぬたった一度の体験として迎える自分の死なるものを意識を強め、目を凝らして見つめてみたいものだ。それがかなったならば、多分、この俺はつい昨日生まれたばかりのような気がするのに、もう死ぬのかと思うに違いない。(本文より)

著者について
1932年神戸市生まれ。一橋大学卒。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」で第1回文學界新人賞を、翌年芥川賞を受賞。ミリオンセラーとなった『弟』や2016年の年間ベストセラー総合第一位に輝いた『天才』、『老いてこそ人生』『新解釈現代語訳 法華経』『老いてこそ生き甲斐』『ある漢の生涯 安藤昇伝』など著書多数。

「素晴らしい人生。の一語に尽きる。」

「父親に送ったところ最高に面白いと大変喜んでくれました。」

「早速読んでみた。本人は政治家より、作家を自負しているようだから、本人の視点としては嘘はないと感じた。好色であるというのは、少し違うのではないか。いわゆるモテない女と交渉があったように私は読んだ。恵まれた人生であったのは間違いない。だが、恵まれた故に、死を前にして、つまらなさをより感じるのではないか。大部分の人は、さほど恵まれず、そこそこ貧乏で、世に目立つこともなく、淡々と死を迎えるのだから、そこにつまらない、などと言う感想はないし、あるがままに死を受け入れる。やはり、庶民感覚ははなから持ち合わせていないのが、芸術家ではなく俗物政治家の印象を強くするのであって、世間が狭量なのではないかと。小樽の港でアジを釣る、というくだりがあるが、これは魚の名を勘違いしていないだろうか。」


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