在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド ムカイダイス (著) ハート出版 (2021/3/26)

これは人権問題だけではない。虐殺と搾取を伴う植民地支配である。

言葉を奪われ、宗教を奪われ、資源と食料を奪われ、人としての尊厳までをも奪われ、それでも独立国家「東トルキスタン」国民としての気概を失わないウイグル人の真の声がここにある。

ーウイグルの真実の歴史ー
ウイグル人が初めて支配下に置かれたのは「清朝」から
なぜウイグルは中国の植民地になったのか
旧日本軍の構想にあった幻の「防共回廊」

ー中国の「新疆ウイグル自治区」支配の実態ー
地下資源と食料、水源の支配と40回以上もの核実験
中国語の強制、ウイグル語教育の禁止、宗教への弾圧
職業訓練所という名の「強制収容所」で日々行われる拷問
民族浄化、ウイグル人女性へのレイプ容認、強制避妊、中絶強要

中国の植民地下に置かれ、いわゆる「新疆ウイグル自治区」と呼ばれている私の祖国の東トルキスタンでは、共産党政権が二〇一六年からの各地に多数の巨大な「強制収容所」を作り、今では三〇〇万人以上のウイグル人がその中にいるとされる。
それだけではない。在外のウイグル人の九〇パーセント以上が、三年ほど前から東トルキスタン内の家族や友人と連絡がとだえたまま。

こういった、様々な問題点について、この本でウイグル人として初めて、その答えを探りたい。

目次

はじめに

第一章 日本に生きるウイグル人として
第二章 東トルキスタンの三度の独立と挫折
第三章 幻の「防共回廊」
第四章 「新疆ウイグル自治区」の歴史と政治
第五章 強制収容所の実態
第六章 ウイグル文学と詩人たちの光と陰

おわりに
解説 三浦小太郎
巻末付録 「強制収容所に収容されているウイグル知識人リスト」

「東トルキスタンは過去に二度独立している。ジェノサイドが発生している現状に至ってしまった分岐点は自分達のことしか考えない中国共産党の嘘に乗っかってしまった時。東トルキスタンは地政学的、資源、文化において独立した国であるべき。日本においては、自分達の歴史、尊厳、子孫を守るために、中国共産党とのつきあい方を考えなければならない。」

「ファシズムの3要件とは、独裁、秘密警察、収容所ですが、中国のチベットやウィグル、南モンゴルに対する弾圧にはそれだけでなく、ある独特の気味の悪さが伴います。スターリンやヒトラーは虐殺するにしても即物的で、ひたすら殺しまくったようなところがある。ところが中国のやり方は陰湿で、臓器売買したり、家庭に入り込んで監視したり、陰湿というより「異質」です。政治体制の違いとは別に、この「異質さ」に、注意を払うことが必要でしょう。」

「ウイグルの実態について精緻に調べ、その全体像、歴史的経緯を明らかにしようとした本。自身の体験も淡々と、かつ公平に描こうとしていて学問的誠実さを感じる。一読をお勧めしたい。」


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