
「お客を追い込む仕事」
サラ金社員が経験した、
貸し手と借り手のお金の修羅場
――貸した私が悪いのか?
1990年代の半ば、30歳のときに足を踏み入れ、50歳で退職するまでの20年を私はこの業界ですごし、お金にまつわる悲喜こもごもを目撃した。
私が在籍した期間は、消費者金融業界が栄華を極めてから、2010年の法改正施行を経て、没落していく年月でもあった。
――本書にあるのはすべて私の実体験である。
【文芸書】大人気シリーズ?新刊発売です。加原井末路『消費者金融ずるずる日記』(フォレスト出版)。中堅消費者金融会社で債務の取り立てや貸付、営業を20年にわたり担当した修羅場を赤裸々に綴っています。いろいろ怖いです……???? pic.twitter.com/FVql4qdLxQ
— 丸善 ヒルズウォーク徳重店 (@maruzen_tksg) June 11, 2024
もくじ
まえがき――「旦那さんのお仕事は?」
第1章 サラ金業、始めました
某月某日 きちんとした会社 : どうして私はサラ金に?
某月某日 督促部屋 : サラ金ビルの一室で
某月某日 ワル自慢 : サラリーマン社会の縮図
某月某日 ストレス解消 : 債務者は客じゃない?
某月某日 ゴミ屋敷 : 多重債務者宅の特徴
某月某日 綺麗どころ : キャバクラのような貸付フロア
某月某日 審査落ち : 信用情報とは何か?
某月某日 「持ち家じゃないか!」 : 二流サラ金の悲しいさが
某月某日 金策 : 回収はつらいよ
某月某日 「ぶっ殺すぞ!」 : 債務者は弱者か?
某月某日 チンピラ、推奨します : マル秘回収テクニック
某月某日 食べ放題 : 「やつらは金がないんじゃない!」
某月某日 親不孝者 : 冷暖房の効いた大きな会社に
某月某日 父親のDNA : 刺激的でワクワクする毎日
第2章 貸した私が悪いのか?
某月某日 ミニロト当選 : 常連延滞者のドヤ顔
某月某日 延滞者リスト : よく見りゃ、知り合いの名
某月某日 リボ払いの誘惑 : なんで今まで使わなかったんだろう
某月某日 アルファード : 高級車でお金を借りに来る人たち
某月某日 スピード出世 : 翻弄される従業員
某月某日 夜逃げ : 首が回らなくなった人の結末
某月某日 在籍確認 : 「なまった感じでお願いします」
某月某日 手ごねハンバーグ : やさしい老夫婦のおもてなし
某月某日 奨学金 : 多重債務の典型的パターン
某月某日 元日生まれ : 代払い返済を繰り返す道楽息子
某月某日 命を担保にとっておく : 団体信用生命保険
第3章 可笑しくて、やがて哀しき…
某月某日 おまとめローン : 甘く、やさしい言葉で
某月某日 無人契約機 : 人の気配はないけれど…
某月某日 何か隠している : ボケていませんよね?
某月某日 二人羽織 : コンプライアンスなんて知りません!
某月某日 支店長、喜怒哀楽 : 心温まる(?)話
某月某日 身売り : 二流サラ金からシティグループへ
某月某日 斜陽産業 : 貸し倒れ件数の増加
某月某日 足抜け : 去っていく同僚たち
第4章 お金に教えられたこと
某月某日 あんた責任取れんの? : 時代は法令遵守
某月某日 様変わり : 改正貸金業法完全施行
某月某日 弁護士センセイ : 味方ですか? 商売ですか?
某月某日 返済能力 : 消費者金融業界を去る
某月某日 「もう無理だよね」 : 義母からの電話
某月某日 個人再生 : それでも生きていく
あとがき――足るを知ること
【発行】三五館シンンャ/【発売】フォレスト出版

著者について
加原井末路(かばらい・すえみち)
1965年、埼玉県生まれ。1990年代半ばに、中堅の消費者金融会社「デック」に入社。以来、債務の督促・取り立てや貸付、「おまとめローン」の営業など、20年間にわたり債務者との前線で四苦八苦する。一方、サラリーマン時代に組んだ35年の住宅ローンの結末も本書につづる。
「感動を噛みしめることのできる日記シリーズの中で、今回の「消費者金融ずるずる日記」は、前回の「電通マンぼろぼろ日記」は、ツートップだ。何がツートップなのかと言えば、最も下衆な職業であり、いくら読み進めても主人公に愛着がわかず、感情移入できない。このような悪行に手を染めた者であれば、その末路は自業自得であり、同情する気にもなれないという意味でのツートップだ。分かりやすく示すと、彼はこの本の中で、自分が取り立て脅迫した債務者に対し、詫びや反省の一言も記していない。
だが、あとがきまで読み終え、私は自分自身の末路を想像することができた。私だって、突然に収入が激減、もしくはゼロになり、路頭に迷う事態はあり得る。その時、この主人公のようにしっかりと思考し行動できるか。餓鬼や畜生のような人物から市井の人、庶民に転ずることができるか。
そういった意味合いで、私は彼から学ぶものがあった。読み終えた今や、この男の今後の行方さえ知りたくなっている。
終盤になるまで、読み終えずにつんどくにしてしまおうと思ったが、日記シリーズはどこまでも恐るべし。やはり、流石の読後感だったのだ。」
「サラ金なんて貸す方も借りる方もク◯人種だと思っていたけど、債務者への傾聴力や説明力はビジネススキルとして汎用性があると感じたし、奨学金返済の為にやむなく借りた若者は気の毒でしかなかった。
二人羽織のくだりは俺の中で船場吉兆を超える衝撃というか笑撃エピソード。」「しい実体験の記録。これが実に面白く、ぐいぐい読ませる。
押しが強くて個性的な上司のパワハラに耐えつつ、何とか支払いから逃れようとする債務者との渡り合いは、お金をめぐる修羅場そのものだ。
債務者の夜逃げや自殺など重い部分もある一方、クスリ・ホロリとさせる場面もあり、読みどころ満載。
借金の取り立てという仕事にもかかわらず、人間に対する優しさを忘れない著者と救いのある終わり方。
これぞ日記シリーズの真骨頂である。」
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