『壇蜜』「わたしと結婚しましょう」「はい?」

妻・壇蜜は、誰よりも奇人だった。

奇想天外な日々を綴った衝撃的な実録エッセイ『壇蜜』

「壇蜜」(1) (モーニング KC) 清野とおる(著) 講談社 (2025/7/23) 792円

「誰もが知る超有名タレントと、知る人ぞ知るマイナーサブカル漫画家…

本来、混ざり合わない水と油のような僕らが、なぜ「夫婦」をやっているのか…」

2019年に日本中を震撼させた結婚劇からさかのぼること2年、二人は交際を開始した。

そのとき、どんな磁場異常が生じたのか。

交際相手の家族といかなる情緒で交流したのか。

日常生活はどこまでスリリングなのか。

人間関係において発生する怪事件や戦慄や哀歓を描き尽くしてきた名匠、清野とおるが初めて正面から「夫婦」に挑んだ結果は……とんでもないことになってしまった!

「モーニング」で大反響月イチ連載中、大型ノンフィクション連載がついに単行本化!

著者について
東京都北区赤羽在住の漫画家。趣味は散歩と飲酒。既婚。おひつじ座。現在、「モーニング」で『「壇蜜」』を連載中。
主な作品に『さよならキャンドル』『東京都北区赤羽』『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』『ゴハンスキー』『東京怪奇酒』『スペアタウン?~つくろう自分だけの予備の街~』などがある。

結婚報道に世間がビックリ!

壇蜜。

数々の雑誌でグラビアを飾り、タレントや女優、さらには文筆業でも活躍。その美貌と妖艶な佇まい、そして知的な一面も垣間見せながら、一時代を築いたミステリアスな芸能人。

清野とおる。愛すべきクセの強い住人たちが多数登場する、東京都北区赤羽を舞台にしたエッセイ漫画で知られる、本人もクセ強な漫画家。

2019年、このふたりの結婚報道が駆け巡り、世の中的には「壇蜜がついに結婚!」、一部漫画好き界隈では「清野とおるが壇蜜と!? どういうこと!?」と大騒ぎになりました。

本作は、そんな壇蜜と清野とおるのラブラブな新婚生活をつまびらかに描くほっこりエッセイ漫画……ではありません。

これは、謎に満ちた生態が少しずつ明らかになる奇人・壇蜜と、この不思議な存在と波長を合わせ、阿吽の呼吸で奇妙な出来事の数々を受け入れていく清野とおるによる、奇想天外な日々を綴った衝撃的な実録エッセイなのです。

はじまりは「わたしと結婚しましょうよ」

まずはふたりがどういう経緯で結婚に至ったのかが気になりますが、本作ではそのきっかけともいえる出会いの瞬間を克明に記録しています。

テレビ界を席巻した芸能人とサブカル系漫画家。その接点は、とあるバラエティ番組のロケ。

壇蜜の赤羽ロケに、(赤羽専門家ともいえる)清野とおるが同行するという企画でした。

テレビ局特有のざっくりした打ち合わせ(+地元赤羽ネタを交えた)描写にクスっとさせられるあたり、早くも清野作品の面白さがにじみ出ているシーンですが、肝心なのは、この日がふたりにとって初対面である、ということ。

この出会いをきっかけにふたりは接点をもち、少しずつ距離を縮め、やがて交際へと発展、愛を育む中でいよいよ結婚へ……という流れかと思いきや。

ロケの休憩時間に、唐突過ぎるプロポーズ。

しかも壇蜜からという驚天動地なシチュエーション。

最初はメールのやりとりから

清野とおるの、このリアクションも、なんだかわかる気がします。

多少なりとも関係性を築いた後ならともかく、初対面のロケ当日に売れっ子芸能人から告げられる「結婚しましょうよ」には、警戒心しか生まれません。

しかしロケ終わりに、壇蜜はしっかりと連絡先を清野とおるに渡して去っていきます。

これは……本気なのか!?

それから数日後。ロケの衝撃も落ち着いて、ふとテレビやラジオ、雑誌を見ればやたらと壇蜜が目に入る。

そして手元には連絡先が書かれた紙――。

壇蜜が気になって仕方がない清野とおるは、「ロケのお礼」を建前に、ついに壇蜜へメール送信。

これは、男として自然な流れでしょう。

壇蜜の引力に抗うなど、無駄な対抗。

こうして1日1回、内容的には無難なやり取りを続けることになります。

地元・板橋に壇蜜降臨! 清野とおる、パニック

ロケから2ヵ月後のある日、突然壇蜜から「今、浮間公園にいます。よければ清野さんもいらっしゃいませんか?」というメールが届きます。

緊張と期待のなかで、北区と板橋区の境に位置するというこの公園で壇蜜と落ち合った清野とおる。

しかし、普段来ることのない場所で壇蜜と相対することになった彼は、自分を優位な立場に置くべく、浮間の隣にある、自身が生まれ育った地元・板橋の志村坂上へと壇蜜を誘います。


白ブリーフおじさんのエピソードと削れた塀が、さすが清野とおる作品というインパクトを生みつつ、自ら誘い込んでおいて、壇蜜とのふれあいのなかで戸惑いと混乱で慌てふためく清野とおるという構図がなんとも可笑しい。

わかる人にはわかる、わからない人には1mmもピンとこない、「小茂根」というローカルな地名の登場も、ザ・清野とおる劇場という趣が感じられます。

こうして1日1往復のメールや、1~2ヵ月に一度の逢瀬を重ねながら、気づけばふたりはいつの間にかこんな関係性になっていたのでした。

壇蜜劇場開幕! 奇人・壇蜜の魅力を堪能せよ

実はテレビなどでも、捉えどころのないキャラクターがチラリと垣間見えていた壇蜜。

本作では、パートナーである清野とおるならではの距離感や視点で、彼女の奇人っぷりを描写しています。

先述したとおり、初対面で「結婚しましょうよ」と告げる時点で理解しがたい部分はあるのですが、人は「なんだこれ?」と理解できないものに興味が湧いてしまうもの。

冒頭の十数ページで早くも壇蜜の虜になってしまうのです。

そんな彼女(と清野とおる)の暮らしのなかで起こる様々な怪奇現象、あるいは彼女自身の摩訶不思議な生態などを観察し、愛でるような感覚を味わえるのが本作の醍醐味。

謎の心霊現象(?)も、怖いとも、気味悪いとも思わずに日常として受け入れる壇蜜。そしてそんな彼女と過ごしているからか(あるいは赤羽で育まれた経験がそうさせるのか)、清野とおるも同様に受け入れるどころか、「生活の大切な一部」になってしまう。おそるべき順応力。

さらには、いったいこれは何の会話!?という稀有なやり取りも。

本作を読んでいると、この奇妙な会話も微笑ましく感じてしまうくらい、壇蜜、そして清野とおるがどんどん好きになってしまうのです。

確かに奇人ではありながら、その奇妙な部分がピュアでチャーミングに見えてくる壇蜜と、さすがは赤羽実録エッセイ漫画をヒットさせただけのことはある、その細かいツッコミや独特の切り口が素晴らしい清野とおる。

ふたりだけの不思議な世界を覗き見させてもらう楽しさを噛みしめながら、どうか末永く幸せになってほしいと願わずにはいられない作品です。

ネットの声

「ただセクシーを売りにしているだけのタレントではなく、そこはかとなくどうしても滲み出てしまう知性や独特な感性、雰囲気に惹かれて、気になる存在ではありましたが、また清野とおるさんという独特の表現を持つマンガ家さんの視点から見た、人間「壇蜜」。
大変に興味深く、面白かったです。
飄々とした物言いや物事に対する非凡な感性と表現力にとても憧れます。
丁寧で人当たりが良くて、それでいてミステリアス。
清野さんの自虐的ながらも壇蜜愛溢れる筆致も微笑ましく。
素敵な夫婦関係。
もっとたくさん、清野さん目線の「壇蜜」を知りたいです。」

「赤羽漫画時代からずっと清野さんの漫画を愛読しています。
そんな赤羽の方々にも勝るとも劣らない方が家庭内にいたとは
パブリックなイメージとはまた一味違って最高に面白いです。
赤羽やさよならキャンドルが終わってしまって変人エピソードに飢えていた私も大満足の作品です。」

「清野氏は、自分の奥様をネタに作品を出すような人でないと思います。ただ、壇蜜氏が、かなり追い込まれており、入院費用などの捻出に追われているのかもと邪推します。だから、そのため、このタイミングでとさらに邪推します。女としてではなく、人間として壇蜜氏のファンである私は、入院費用の捻出のため、清野氏の漫画を買いまくるのですっ!ところが、清野氏の漫画がとてもとても面白く、もう。ずっと読み続け。止まりません。東京都北区赤羽は、おすすめですっ。壇蜜日記なんてほったらかしの面白さです。この漫画、壇蜜は、完お二人を理解できると至極の名書となるかもしれません。凄いっ・・・ですっ。完結まで買い続けます。」


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