日本で売れているミニバンは世界で通用するの??

長年日本のバカ売れジャンルなのにナゼ? 国産ミニバンを海外販売しない理由

Lサイズミニバンのアルファードやオデッセイは、中国など海外の一部地域で販売されていますが、ミドルサイズのノア&ヴォクシーやセレナは、基本的に国内向けの商品です。

まれにステップワゴンなどが海外で売られることもありますが、右ハンドルの国や地域が扱うので、海外の販売台数は多くありません。

ミニバンは日本の道路環境やカーライフに適している

ミドルサイズミニバンが国内向けに開発される一番大きな理由は、海外の需要が低いからです。

とくに最近はSUVの車種数が増えました。

空間効率はミニバンほど高くないが、LサイズSUVであれば、3列のシートを装着して多人数の乗車も可能です。

また日本の道路環境では、駐車場を含めて、ボディの大きなクルマは使いにくい。

限られたボディサイズで広い室内を得る必要があり、天井の高いミドルサイズミニバンが普及しました。

2世帯で出かける機会が多いことも挙げられます。

ミニバンの開発者は次のように述べています。

「日本の企業では、男性は国内の転勤が多い。転勤先で地元の女性と結婚する。そうすると自宅の近所に、妻の両親が住んでいる。そこで2世帯、つまり3世代が一緒に乗車できるミニバンが求められる。妻の両親が、3世代で外出するために、娘夫婦にミニバンを買い与えることも多い」

このような日本の事情に基づき、ミニバンの販売は好調です。

業務提携を結ぶ海外メーカーのスタッフが来日すると「なぜ日本にはこんなにミニバンが多く走っているのか?」と質問されるそうです。

海外では走行安定性を重視

日本でミニバンが普及を開始したのは、ステップワゴンなどの初代モデルが発売された1990年代の中盤。

依頼、30年近く経過し、ミニバンは国内市場に定着しました。

ミニバンに親しんだ子供が成長して子育てをする世代になり、自分の親と同じように、ミニバンを購入するケースも増えています。

ミドルサイズミニバンが海外で売られない理由として、狭い全幅と高い全高による走行安定性の不安も挙げられます。

新型のノア&ヴォクシーやステップワゴンは3ナンバー専用車になりましたが、従来型やセレナは、標準ボディが5ナンバーサイズに収まっています。

その一方で全高は1800mmを超えるから、全幅の数値を上まわります。

欧州のように日常的に高速走行の機会が多い地域では、高重心のボディは走行安定性を確保するのが難しいと判断され、ミドルサイズミニバンのようなクルマは敬遠されるのです。

国内向けとして

このほか先に触れたハンドルの位置関係も挙げられます。

日本では車両が左側を通行するので、右ハンドルになります。

海外には右側通行の地域が多いことから、本格的に販売するには、左ハンドル仕様を用意しなければいけません。

この開発/製造コストが高まることも、ミドルサイズミニバンの海外進出を難しくしている理由です。

そうなるとミニバンは海外市場を考慮しないので、軽自動車と同じく100%国内向けに開発されるのです。

海外市場を横目で見ながら開発されたクルマとは、日本のユーザーに向けた心意気が違うため、ミニバンはますます人気を高めるわけです。

ネットの声

「ミドルサイズのミニバンに乗っているけど、恒常的に一定量の風がある湾岸沿いの高速を走っていると、常に風の影響を受けて走っている感覚があるんだよね。風の強い日なんかは怖ささえ感じる。使い勝手の面では万能な車ではあるけど、車の本質である「走り」の面では、当然ながら期待してはいけないんだよね。
また日本ではミニバンは決してステータスは低くはないけど、諸外国ではかつて日本がそうだったように「業務用」のイメージもある。
それに日本人は「割り切り」が不得意。「これもできるあれもできる」といった車であるミニバンが売れてしまったのはよくわかるけど、本当は無駄を見直して、安心・安全な車を選択するのが大切だと思う。ミニバンに乗ってる自分が言うのは何だけど。」

「北米や欧州にもミニバン自体は存在するけど乗用タイプがメインの車種は基本的にヒンジドアでスライドドアは商用車。日産がルノーにセレナの新型は絶対必要だと説明するにあたって何故日本人は商用車を好むのかの説明に苦慮したようです。」

「我が家も子供たちが高校生くらいまではミニバンを乗り継いできました。遠出したり部活動のクルマ当番もあり、ミニバンは必須でした。
今は車中泊ブームだし、クルマは移動できるもうひとつのお部屋という感じですね。出先でゆっくり足を伸ばせる空間は魅力的です。
私のように地方住みで1人1台所有なら、奥さんはミニバン、旦那さんは軽の通勤専用車というパターンがとても多いですね。」



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