所ジョージと山下達郎のYouTubeやサブスクへの考えが潔い

所ジョージ&山下達郎 利益追求するYouTubeとサブスクへの反発に相次ぐ賛同の声

《一ヶ月後に削除しますので。10年、楽しかったわ》

6月11日、所ジョージ(67)がYouTubeチャンネル「SETAGAYA BASE 工作部」を更新。

同チャンネルを閉鎖するといい、動画の概要欄には冒頭の文言が。突然の“撤退宣言”に波紋が広がっています。

「今日でおしまい」と題する楽曲の弾き語りを披露

所ジョージはわずか48秒の動画をアップし、「今日でおしまい」と題する楽曲の弾き語りを披露。

キャップを被りサングラスをかけた所ジョージは、ギターを弾きながら次のように歌いました。

「ビックリすることがある 広告などつけたくない なのに今年の6月1日から グーグルは勝手にアトランダムで つけるんだそうです お金のニオイがしないでやってきた10年は 広告がつくので今日でおしまい」

歌を通じて、YouTubeの仕様変更に対する不満をあらわにした所ジョージ。

一体、どういうことか?

あるITジャーナリストは言います。

「YouTubeではいくつかの条件のもと、動画投稿者に広告料が入るしくみになっています。昨今、収益化目的でYouTubeを始める芸能人も多いなか、所さんは広告をつけずに動画投稿を続けてきました。
所さんは『今年の6月1日から』と歌っていましたが、実際には昨年6月1日に利用規約が変更されました。収益化を目的とする『YouTubeパートナープログラム』に参加していないチャンネル、収益化に関する契約を締結していないチャンネルにも、広告が表示されるようになったのです」

2012年10月に同チャンネルを開設して以来、趣味の自動車やバイクなどと共に「最近の唄」シリーズを披露してきた所ジョージ。

今年6月7日には559曲目に達したが、600曲目を目前に終止符が打たれてしまいました。

ネット上では

《チャンネル閉鎖はただただ寂しいです》
《ずっとやって欲しいです》

と惜しむ声が上がる一方で、彼の決断を支持する声も上がっています。

《カッコいい!さすが所さんだ!》
《所さんらしい終わらせ方! こういう所が好き!》

山下達郎はサブスクを「死ぬまでやらない」

収益を目的としたプラットフォームの仕様変更に対して、毅然と反旗を翻した所。同じような姿勢を見せたアーティストがもう一人いました。

ミュージシャンの山下達郎(69)です。

山下達郎といえば、これまで1度もSpotifyなどのサブスクリプション(以下、サブスク)サービスで楽曲を解禁していません。

同様に、YouTubeにも公式チャンネルを開設していないのです。

6月11日配信の「Yahoo!ニュースオリジナル」の記事によると、山下達郎はサブスクについて《恐らく死ぬまでやらない》と宣言。

そしてその理由を、次のように語っています。

《表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるんだもの。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利と関係ない。本来、音楽はそういうことを考えないで作らなきゃいけないのに》

いまや、YouTubeやサブスクといった配信サービスが浸透しています。

しかしその一方で、表現者の意図とかけ離れたプラットフォーム側の利益追求のあり方に問題提起をした所ジョージと山下達郎。

そんな2人を重ねて見る人もいるようで、様々な反響が上がっています。

《サブスクに媚びない山下達郎にしてもYouTubeに屈しない所ジョージにしても、供給インフラに振り回されない、自身のコンテンツへのポリシーがしっかりしてる》
《所さんらしい。山下達郎と同じ風が吹いている》
《山下達郎のサブスク拒否にしてもそうだけれど、webの流れに乗れば乗るほど仲介者の中抜きが可視化されるからなあ》
《山下達郎さんが一生サブスク解禁しないとか、、所ジョージさんが広告要らんからYouTube閉鎖するとか、、、めちゃカッコええなあもう》

ネットの声

「ちょっと両者をくっつけるのは無理がある感じがする。YouTubeは新たな利益をもたらす存在だが、サブスクは利益をすり減らす存在。

今までレコード会社はJPOPなどメジャー音楽で稼いだ利益を、将来を担う新人を推したり、売れないが高い評価を受けているマイナージャンルに投資してきた。しかしサブスクの配信会社はそういう事を一切やらないので、そのサイクルが崩れてしまう。
達郎氏は前者の強者の存在でありながら、マイナーな音楽の存在を人一番認めている人。だからこそその古いビジネスモデルが、生き続けて欲しいと思っているのではないかな。」

「所さんと山下さんの主張は、似ているところもありますが少し主張の中身が違いますよね。
所さんは無料で気軽に楽しんで欲しいのに広告が強制的に入るならやめる。
山下さんは、クリエイティブに携わっていない人間が演者以上の暴利を貪ることが許せない、という感じでしょうか。
実際に、SpotifyやApple Musicでの再生回数あたりのアーティストの取り分は雀の涙ほどと言われていますし、CDバブル時代を知っている山下さんの世代からすれば受け入れがたいのも理解できます。
同世代のユーミンなんかは、「新しく知ってもらう機会が増えるなら」との理由で解禁しましたが、それはユーミンがもう生涯左団扇で生活を送れるだけの蓄えがあるからこそ出来る判断で、今から出てくる若い世代はそうはいかない。難しい時代になりました。」

「YouTubeの広告は配信者というよりGoogleに入る広告料と、そこから広がる検索と個人データが目当てな訳で、ユーザが爆増してサービス単体の運営費を調整するため。所さんがお金の匂いをさせずに10年出来たのは、その経費を全てGoogleが払っているから。
今は配信環境なんて1時間も有れば自分で作れるから所さんには真に気兼ねなく発表できる場をスタッフは用意してあげて欲しい。」

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