ドリフトは日本発祥だって知ってた?ドラテクが世界を魅了!?

レースから生まれ、魅せる走法として独自に進化

日本発祥の「わざと滑らせて魅せる」ドラテクが世界中を魅了! 

いまさら聞けない「ドリフト」の基礎知識

「ドリフト」とは、クルマのリヤタイヤ(後輪)を意図的に滑らせて走らせる特殊な走法のこと。

そもそもはレーシングな走り方のなかから生まれた技術なのですが、現在では魅せる走法として確立し、日本発祥の走り方として世界にも広く浸透して人気を博しています。

滑った状態で制御するから難しい、だがそれがカッコいい

ドリフトとは、リヤタイヤを滑らせる走り方。

もともとは曲がらないクルマを曲げるための技術として生まれたものです。

昔のF1や国内のレースもハンドルはほぼ真っすぐで、アクセルONでリヤタイヤを滑らせて曲げていました。

それが当時のタイヤの性能で速く走る方法だったわけです。

ちなみに現在のレースではタイヤの進化、LSDの進化もあり、リヤタイヤを意図的に滑らせるほどのスリップアングル(滑らせる角度)は付けていません。

リヤタイヤを意図的に滑らせて、スピンしないようにハンドルを逆に切る「逆ハン」状態を維持して走るのが現代のドリフトです。

大きなカウンターステアを当てた状態で、いかに角度を大きく付けて、それでいて高い速度で滑らせるか。

さらに規定されたラインに乗せたり、前走車に近づくとか、後続車を引き離すスピードを持つかといった技術を問われるのが現在のドリフトです。

ドリフトの状態を維持しつつ、ラインをコントロールしなければならないので、その難易度は高い。

だからこそ、カッコいいわけです。

まさにモータースポーツ界の妙技なのです。

競技としてはそのカッコよさを競うもので、点数で採点したり、2台で走ってどっちがカッコよかったのかを競います。

最近ではその角度や速度を計測し採点結果に反映するシステムが導入されるなど、オリンピック競技で言うと、フィギュアスケートに近いと言われています。

アクセル、ブレーキ、慣性と、滑らせる方法はさまざま

こうした魅せるドリフトは30年以上前に埠頭や峠などで、リヤ駆動車でアクセルを踏んでリヤタイヤを滑らせることから始まりました。

当初はリヤ駆動車でUターン時などにアクセルをたくさん踏んでパワースライドさせていたのです。

その後、広場やサーキットで行われる採点競技に。

そこで新たなステージへと進んだ転回点が、アクセルONではない方法でリヤタイヤを滑らせるようになったことです。

サイドブレーキや慣性を使って、高い速度からクルマを滑らせてコーナーに進入していき、コーナーの途中から立ち上がり時はアクセルONでのドリフトに切り替わっていきます。

アクセルによるドリフトは、その角度などをアクセルとステアリングでコントロールできるので比較的簡単。

角度が浅くなったらアクセルを踏み、角度が付きすぎたらアクセルを絞ればある程度コントロールができるのです。

しかし、進入のドリフトはブレーキとステアリング操作だけで角度とラインを制御しなければならず、難易度が高い。

ちょっとしたオーバースピードでコースアウトしてしまったり、スピードが足りないとスライドできなくなります。

さらにハイレベルになると高い速度からドリフトに持ち込み、瞬間的にフロントタイヤまで滑らせる4輪ドリフト状態にもなります。

ある程度速度が落ちるまでステアリングでの姿勢の制御などもしにくいことから、極めて難易度が高いが、その速さと角度による迫力はすごいものがあるのです。

AE86やシルビアがドリフトシーンで崇拝されるワケ

そんなドリフトで名を馳せたのがトヨタ「AE86型レビン&トレノ」と日産「シルビア」です。

AE86は軽量ボディのリヤ駆動ということで、ドリフト創世記にはメイン車種として君臨しました。

しかし、ソリッドなサスペンションの扱いは難しく、エンジンパワーも足りないので相当難易度が高かったのです。

そこで現れたのがシルビアです。

マルチリンクのサスペンションはしなやかに動いて操作しやすい。

エンジンはターボもありパワーも十分。

パワステも付いている(AE86はオプション)のでカウンターも当てやすいし、そこからステアリングを戻すときも簡単。

このステアリング戻しがノンパワステでは難しいのです。

ただでさえドリフトしやすいシルビアS13/14/15。そのシリーズ中でもっともドリフトしやすいのが兄弟車の「180SX」。

リヤハッチのガラスの重さがいい感じにクルマ全体のダルさになり、ゆったりと流れてスピンしにくいとドリフターに人気の車種となったのです。

現代ではトヨタ 1J/2Jエンジンの独壇場

現代の競技では、とにかくパワーがあればドリフトが浅くなってしまったときにもリカバリーしやすいため、どんどんハイパワー化が進みます。

トヨタ 1J/2Jエンジンがその丈夫さから支持され、1000psも当たり前。

日産車のシルビアにも1J/2Jエンジンの搭載が当たり前。

いまやボディは異なっていても、1J/2Jエンジンの運動会状態になってしまうほどなのです。

そして、スピンを防いで深い角度でドリフトするために、フロントタイヤをもっと切れるように改造するのが主流。

今や90度近く切れるようにセッティングするのも珍しくなくなっています。

そういった特殊な進化を遂げたドリフトは、日本国内で「D1GP」や「FDJ」などが開催。

海外でも人気で、アメリカ、ロシア、中国でD1GPが開催されたり、独自のシリーズが開催されていたりと、さらなる広がりを見せています。

ネットの声

「今よりも峠や港湾地区でのドリフトが盛んだった時期に自動車に乗り始めたおっさんですが、近年の競技ドリフトのレベルの高さに驚きます。
Youtube等でその映像を見ますが、すごすぎて逆にラジコンのように感じてしまいます。
車体もより深いドリフトアングルを維持するための専用競技車両として改造している車も多く、フロントのワイトレ・鬼キャン・シャコタカが定番スタイルとなっていますね。
昔を懐かしんでしまうおっさんとしてはこのスタイルを不格好に感じてしまい、競技ドリフトを見なくなりました。
ベース車両も昔からの定番車は価格が高すぎるので、型落ちレクサス等で久しぶりにドリフト(もどき)を楽しもうかと画策中です。」

「グリップなのでドリフトは、、と思ったんだけど、車の動きを勉強しようと思い、先日スライドコントロールの講習会に行って来ました。結果、初めての僕には難しくてまともに出来なかった。
YouTube等でドリフトも見るようになったけど、今はあのテクニックの中コントロールしてるとおも思うと凄い事だなぁ?と思ってます。だって今の自分じゃ出来ないもん!
また機会あったらスライド行ってみよう。少しはグリップでも役に立つかな。。」

「13、13、15と乗ってきました。確かに1Jは羨ましかったですね。SRエンジンは下品なベロベロ音で、やっぱり直6エンジンはいい音でした。なにより、レブっても許される感がいいよね。
何もかも厳しくなるギリギリ最後の時代を生きられて良かったです。
最後に買った15が130万なんて、今じゃ信じられない。」



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