畑中葉子「カナダからの手紙」がSpotifyで150万回再生超え!
「悪女」ほかカバー曲も令和で愛されているワケ
目次
デビュー曲『カナダからの手紙』が大ヒット
畑中葉子にスポットを当ててみました。
畑中は、1978年に平尾昌晃とのデュエット曲「カナダからの手紙」が大ヒットしたあと、’80年に『にっかつロマンポルノ』で女優デビュー。
そのうちの映画主題歌となったセクシーな歌謡曲「後から前から」で大きな衝撃を与えました。
世間的には、その2曲がよく知られているのですが、畑中葉子のSpotifyにおける月間リスナー数を見てみると毎月4~5万人と、今でも多くのリスナーがいることに驚かされます。
この数字は、’80年代に数多くのヒット曲を放ち、今でもメディアに頻繁に登場する南野陽子や松本伊代と肩を並べるほど。
決して“一発屋”や“イロモノ”とは言えない人気となっているのです。
2022年に37年ぶりの新曲「夜雲影(やうんえい)」を配信リリース。
畑中自身は、ストリーミングサービスは聴いていないが、お気に入りのカフェで流れるBGMなど、音楽は常にチェックしているそう。
Spotifyの順位
第1位は、やはり平尾昌晃とのデュエット曲「カナダからの手紙」。
当時、オリコンでは週間1位、累計70万枚を超えるヒット(出荷ではミリオンセラー)。
’78年度の年間シングルランキングでも第7位(大ブームだったピンク・レディーの楽曲を除くと上から3番手!)。
同年末にはNHK紅白歌合戦に初出場となりました。
このSpotifyで累計159万回再生という数字は、さほど驚かれないかもしれません。
しかし、’70年代以前のデュエット歌謡で100万回を超えるものは「銀座の恋の物語」の133万回と本作の2曲のみなのです。
その“銀恋”を超える人気なのです(ちなみに、“銀恋”と並んでカラオケ人気の「いつでも夢を」は94万回)。
それだけ、この曲が若い世代にも浸透しているということでしょう。
「この曲は古くならないんですよね! カラオケバーで仕事仲間と歌うこともあるのですが、当時は生まれていない若い方も、私のことはわからないけど『カナダからの手紙』は知っているんです。それで本人が歌っていることに気づくと、“ひゃぁー!”って喜んでくださるんですよ。男女のセリフの掛け合いが多いデュエット曲の中で、『カナダからの手紙』はひとりの思いを歌っているので受け入れやすいのだと思います。あと、イントロも覚えやすくて特徴的ですよね」
超多忙な1年だった
確かに、「カナダからの手紙」には、ミドル世代の女性たちの多くが“年輩の男性社員と新人時代に無理やり歌わされた”というトラウマのある“銀恋”のようなウェットな感じもありません。
メロディーも洋楽テイスト。
畑中自身は、高いキーから始まるメロディーが不思議な曲だと思っていたようです。
この’78年は、「カナダからの手紙」を含め4枚のシングル、2枚のアルバムをデュエットで発売し、超多忙だったそう。
「この1年は忙しすぎてあまり覚えていません。生放送も多く、しかも歌番組によっては、持ち歌だけでなく、いろんな方の歌を歌わなくちゃいけない機会もあって、移動中の新幹線や飛行機の中ではずっと聴いて覚えていました。私よりもお忙しい先輩方もきっちり歌いこんでいらっしゃいましたから、私のような新人が間違えてしまっては大変だと、ものすごい緊張感の中で歌っていましたね。そして、歌番組のあとにはレコーディングもあって、深夜の3時に帰宅、6時には仕事に出発というスケジュール。だから、ヒットしたのはもちろんうれしかったのですが、喜んでいる時間もないくらいの1年間でした」