少子化の原因は若者世代のセックスレスの増加!?

若者世代にセックスレスが増加している本当の理由。

少子化問題が叫ばれるようになり随分経つが最近では若い世代にレスが増えているそう。

セックスを覚える前からセックスに消極的になる、その意外な理由を恋愛コラムニストのさかいもゆるがレポートします。

若い女性の膣のサイズが縮小している!?

レスに悩むのは既婚者がメインなのかと思いきや、性交渉は痛いから嫌だし、性欲も湧かない……

今、そういう悩みを持つ若い女性患者が増えているそうです。

レス以前に彼女たちはそもそもセックス自体に興味がないのです。

伺ったのは、海老根ウィメンズクリニックの海老根真由美院長。

それには、現代女性の膣が狭くなっていることが大きく関わっているとのこと。

「膣のサイズ自体、昔よりずっと小さくなって来ていると感じます。診察の時に使用する器具も以前はMやLサイズだったのが、今はSやSSしか使わなくなりました」と、

海老根院長。ひとつには、骨盤の幅が狭い華奢な体型の人が増えたこと。

もうひとつは、発育段階で充分に身体が発達する前からピルを服用することかもしれません。

聞けば、近頃では娘の生理が始まる前から、PMS(月経前症候群)が受験勉強の妨げにならないようにピルで月経を止めるようにコントロールする母親が増えているというのです。

ほかにも、自身のPMSが辛かったから娘にはそんな思いを味合わせたくない、修学旅行だから生理周期をズラしたい、などなど、母親が娘の生理をコントロールしたい理由はあるようです。

ピルは主にバースコントロールのために服用するものだと思っていたけれど、まさか思春期の娘にPMSを味合わせたくないからという発想があったとは。

生殖へのコントロール意識がそんなところまで来ていたことに驚きました。

性交渉可能なまでに身体が成熟する前にピルで発育を止めてしまうことには当然、弊害もあります。

「膣がまだあまり柔らかく育っていないのにピルを服用すると、膣内がパツパツに狭くなって切れやすくなることも。また、ピルによってエストロゲンの数値が低いまま固定されてしまうと、性欲が湧かなくなります」(海老根院長)。

20代前半くらいの女性で、「膣が痛いから性交渉ができない」という最近の患者さんは、多くがピルを服用しているそう。

「女性ホルモンをどう入れていくかというのは、まだ議論の余地があると思います」と海老名院長。

もちろん、内膜症が酷いとか貧血になる程に経血量が多いなどの自覚症状がある場合には、治療としてピルを取り入れることはクリニックでも推奨しています。

ただ、本来は病気でもないのにPMSになるのが怖いからという理由だけで飲み続けるべきものではなく、

「発達途中の骨密度が低い状態で低エストロゲンのままをキープするのは、ちょっと心配。そのことはご相談にお見えになるお母様にはお伝えしています」(海老名院長)。

30代までセックス未経験の男女が増えている理由

もちろんレス増加の原因はピルの影響だけではありません。

「日本の性教育では妊娠がダメ、性病がダメという、性交渉がダメな悪いもの、という印象を植え付けるだけの内容になっている」と海老根院長は語ります。

「だから大人になっても性交渉に対して、どこか悪いことをしているような罪悪感を覚える人がたくさんいます。それは女性だけに限らず、男性も同じ。親がマスターベーションを叱ったり、隠すべきタブーだとするから性交渉が怖くて、自分ではできるけどパートナーとはできないという人が増えています」。

その結果、30過ぎくらいまで性交渉を経験しないまま過ごす人が男女ともに増加。

さらに30代に入りそろそろ子どもが欲しいと思い始めたときも、女性側は男性から誘ってほしい思っていても、現代の男性は行動してくれないのだというのです。

海老名院長の話では、若い世代で男性側のレスの最多原因となるのは、ゲーム。

不妊治療に訪れる夫婦でいちばん多いのが、ゲームのしすぎで性交渉ができないレスだというのです。

「男の人の身体って基本的には運動を好み、運動によって筋肉が鍛えられてテストステロンという男性ホルモンが作られる仕組みになっている。それが最近では、ゲームだけして運動をしないので性欲が湧かない。さらにはゲームばかりしていて、セックスする時間がない」。

セックスするよりゲームの方が面白い、というわけ。

これでは「生物としての力が弱まっている」と、海老根院長が嘆くのも当然です。

男性側から積極的に行動しないのだとしたらセルフプレジャーに励む女性が増えているのかと思うと、そうでもないようです。

「そこが欧米と日本との違いで、狩猟民族か農耕民族かのDNAの違い。日本人の場合、セックスがないならないで、面倒だからもういいや、となる。やっぱり皆さん、植物的になって来ているのではないでしょうか」(海老根院長)。

「女であることが邪魔」な世界観

前述のピルの話に戻るが、情報化社会において皆が悪い情報ばかりをピックアップしてリスク回避をしたがる余り、性をコントロールしすぎた歪みが少子化問題に拍車をかけています。

たしかにネットやSNSを見れば、女性には生理と妊娠があるから好きなように生きられないという、ネガティブな情報が目に入って来ます。

「女性の高学歴化が進むと、女の部分は邪魔になってしまう。キャリアのためには妊娠や生理は足枷でしかないから、そのデメリットをいちばん小さくしましょうね、みたいな世界観がうっすらとあって。昔は生理が来たらお赤飯を炊いてお祝いしたのに、今や生理が来る前にピルを飲んで止めさせようとして、『女を謳歌しましょう』という話にはならないですよね」。

PMSの症状が重いときには

「なぜ女ばかりがこんなにしんどい目に遭わないといけないのか。生理なんてなければいいのに」

と思うことも。

けれど「人間の身体の機能にはそれぞれ意味がある。今の状態に進化してきたのには理由があるはずなので、あんまりそれをコントロールしてしまうと不自然なことが起こると個人的には思っています」

という海老根院長の言葉通り、生殖機能のコントロールは、人類に新たな悩みを生み出す原因ともなっているのかもしれません。

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