三遊亭円楽が『笑点』の座以上に執念をみせる大名跡“円生”襲名
脳梗塞からの復活を目指しリハビリを続け、高座復帰を果たした落語家の三遊亭円楽。
そんな彼が東京・永田町の国立演芸場でのメディア取材で、2つの“執念”をみせました。
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“円生”を襲名したい
「会見では円楽師匠の体調面だけでなく、レギュラー出演している『笑点』(日本テレビ系)についても質問が及びました。質問者が日テレスタッフだったことから、『率直に言っていいんかい?』と確認した上で、『75歳定年制』を提言。つまり、現在72歳の円楽師匠からすれば、“あと3年は『笑点』の座は手放さないよ”という意思表示でしょうね」(ワイドショー関係者)
円楽の“執念”は、『笑点』の座だけではなかったのです。
一門の大名跡である“三遊亭円生”の襲名に関する質問で、それが明らかとなった。
「円楽さんは『嫡嫡(ちゃくちゃく)』という言葉を使い、一度継いでもいいよとみんなが言ってくれたら継ぎたいと執念を見せました。つまり“嫡男嫡子”が継ぐ。それにあたるのは先代の三遊亭円楽だった、自分たち一門こそが正統だと主張したのです。
というのも、円生の弟子や孫弟子の系統は、円楽一門以外に、つまり落語協会にもいますからね。落語協会の誰かだって襲名の権利はあるわけです。その可能性を打ち消したい、というのが今回の円楽発言だと思います」(スポーツ紙記者)
私の好きな落語家の一人「円楽」さん
脳梗塞で倒れ リハビリからの再起を図っていた
高座に上がる事が私の最大のリハビリという
脳梗塞の後遺症で記憶の脳機能が低下している
そんな中で一生懸命に落語を続けようとする姿に
多くの障害を持っている人達の励みになる pic.twitter.com/WFWzF3dw2I— チバ ノブタカ[宮城県南三陸町] (@chiba_nobu) August 19, 2022
6代目円楽が継ぐ矛盾も
しかしながら円楽のこの主張に、ある演芸関係者は疑問を投げかけます。
「“嫡嫡”で継ぐのであれば、円生の一番弟子は先代円楽です。その先代円楽の一番弟子は現円楽の兄弟子の三遊亭鳳楽になる。円楽が継ぐことと矛盾するわけです」
一番弟子が師匠の名前を継ぐ方が珍しくなっているのが、最近の落語界。
もちろん円楽も事情は百も承知でしょう。
それでも、自分たちの正統性を訴えるためには、古びたルールを持ち出すしかないのです。
先日楽屋に円楽さんが現れうなぎの差し入れ
みんな喜んだらしい
うなぎにwww#笑点 pic.twitter.com/lYGWmgkmHm— みずき (@mizukichan666) August 21, 2022
円楽一門の結束のために
「五代目円楽一門がまとまっているのは、三遊亭円生という大名跡が手の内にあるからです。何があっても手放せない。よそに行ってしまえば、一門の結束が弱まる恐れもある。
円楽としては、できれば自分が襲名するという選択肢と同時に、自分が後見になって一門の若手に、あるいは、自分が六代目、若手に七代目を内定させて同時襲名するという“ウルトラC”の三択を考えているようです」(前出・演芸関係者)
度重なる病魔で満身創痍ながら、高座復帰を果たし、『笑点』復帰と大名跡への執念を見せた円楽。
その執念が、回復への原動力につながっているのは間違いないでしょう。
国立演芸場、八月中席。
円楽師匠の滑舌は一度聞き逃すとするりと逃げて行ってしまいそうな危うさがありながら、なんとか着いて行くとやっぱり笑ってしまう「目薬」。
談春師匠の田舎者は最高で、会場中から変な笑い声がじわじわと。
千穐楽に伺えて、本当によかった。 pic.twitter.com/Dtwft7zTmK— 暗闇 (@kura8mee) August 20, 2022
ネットの声
「名跡の権利を持っているのは亡くなられた円生さんの家族というのも複雑にしてる。
円生さんと家族は円生さんの代で終わりにして誰にも継がせたくないという意向があるという記事を随分前に読んだことがある。
それが本当なら円生さんの家族の考え方が変わるのを待つしかないし、凰楽さん、当代・円楽さんの代=現代で実現するとは思えない。
円生の大名跡が復活するとしても、まだまだ時間が必要になってくるのでは?」「一生懸命リハビリに努めているよです。いかし、なんか痛々しい。落語をやっても、何となく噺よりも体調の方に関心がいってしまいそう。いかに復帰したとしても、これは落語を楽しむという気持ちになりにくいのではないか。障碍者が一生懸命に協議している姿を、無条件で素晴らしいというようなものではないか。思いは大切だが、円楽さんはいさぎよく一線を退いた方がいいと思う。」
「正直、円楽さんも大病したので、悲願の圓生襲名を急ぎ望むところなのでしょうが、このタイミングで襲名となると火事場泥棒感が否めず。大きな名前だからこそ、これまで誰も継げない継がないわけですから。
個人的には、誰もが納得のいく後進のふさわしい人に継いでもらいたい。そういう噺家がいずれ出てくるタイミングで良いかと思う。」