どうして高速料金は軽自動車と一緒なの?バイク乗りにとって一番の疑問点

高速道路のバイク料金、なぜ軽自動車と同一料金なのか?

バイクの高速道路の料金は、軽自動車と同じに設定されており、普通自動車の8割負担となっています。

例えば、普通車が1000円の料金を支払う区間では、バイクは800円となります。

なぜバイクの高速道路料金はクルマと同一料金なのか?

125cc以上のバイクであれば高速道路を走行できますが、排気量に関係なく料金は一律に設定されています。

1300ccの大型バイクと150ccの小型バイクでは、排気量に1000cc以上の差がありますが、どちらも軽自動車と同じ高速料金を支払うことになります。

そもそも、高速道路の料金区分は、クルマの大きさや道路にかかる負担を考慮して設定されています。

そう考えると、普通車と軽自動車に料金の差が生まれるのは納得いくところといえます。

しかし、二輪で走るバイクはクルマよりも明らかに車体が小さく、重さも1/4程度で2人しか乗れません。

いったいなぜ、バイクの高速道路料金は、軽自動車と同一料金なのでしょうか。

NEXCO中日本によると、高速道路の区分は国の有識者会議の答申に基づき、大きさや重さなどに応じて5つの車種区分に決められています。

区分の詳細は「軽自動車」「普通車」「中型車」「大型車」「特大車」に分けられており、車体が一番小さいバイクは「軽自動車」のカテゴリーにまとめられています。

本来は、車両の大きさに応じて、もっと細かい料金体系にするのが理想としているようですが、区分を増やすと車種の判別が複雑になることで業務に支障をきたし、渋滞を引き起こす恐れがあるため、5つの区分に抑えられています。

そのため、バイクはこの中で一番安い軽自動車の料金になっているのです。

また、前述のとおり高速料金は、道路にかかる負担の割合で決められています。

これには、「原因者負担」「占有者負担」「受益者負担」の3つの考え方を基準に照らし合わせて料金が設定されています。

まず「原因者負担」は、車両の大きさや重量などが道路に与える負担・影響の度合いのことで、「占有者負担」は、道路上でそのクルマの長さや速度から時間・空間的に占める割合の大きさのことです。

そして「受益者負担」は、高速道路を利用することによるメリットの大きさを意味します。

事前申し込みが必要なのが面倒

この3つの考え方を総合的に考慮した結果、バイクと軽自動車は同程度の料金になると判断されているようです。

また、日本自動車工業会によると、バイクの専有面積は軽自動車の3分の1以下であり、タイヤ1輪あたりにかかる道路への負荷は、半分以下だとされています。

これらを踏まえて、バイク業界では、バイクの高速料金を普通車の半額にするように国土交通省や高速道路会社に働きかけてきました。

例えば2012年に、バイクメーカー4社が国土交通省などに対して高速料金の引き下げの要望書を提出しましたが、依然として改善されていません。

そうした中、二輪車・高速道路の利用促進や地域の活性化などを目的とした、バイクユーザー向けの割引サービスが実施されています。

このサービスには「二輪車定率割引」と「ツーリングプラン」の2種類があります。

どちらも期間限定で、ETCを搭載したバイクを対象とし、利用するにはインターネットで事前に申し込みする必要があります。

まず「二輪車定率割引」は、2022年4月2日から11月27日の期間、土日祝日限定で実施され、NEXCO3社と宮城県道路公社が管轄する沖縄県をのぞいた、全国の高速道路が対象となっています。

1回の走行距離が100kmを超える利用で37.5%割引となり、これは普通車の半額になる計算です。

例えば、東京ICから沼津ICの走行距離103.3kmの区間だと、ETC通常料金2530円に対し、二輪車定率割引を利用すれば1580円になります。

一方の「ツーリングプラン」は、2017年から毎年導入されている二輪車の高速料金がお得になるサービスです。

2022年度のプランは、4月25日から11月30日の期間で曜日に関係なく利用できます。

北海道から鹿児島までの全20コースが用意されており、利用期間は出発日から連続する最大2日間または3日間で、それぞれの指定区間内であれば何回でも乗り降り自由となっています。

コースによって利用期間と料金が異なるので、ツーリングの計画を立てる時はよく調べてから申し込む必要があります。

お得に利用したい

「二輪車定率割引」と「ツーリングプラン」を同時に申し込んだ場合は、それぞれの対象エリア内の走行に応じて、どちらかが優先的に適用されるようです。

ツーリングを計画する際は、目的地やルート、利用日などを照らし合わせて両プランを上手く利用すれば、高速道路をよりお得に利用できるかもしれません。

バイクの高速料金が軽自動車と同一料金となっている理由は、車両区分の少なさが一番の要因と考えられます。

限定的ですが、バイクの割引プランを上手く利用することで高速料金を抑えることができそうです。

将来的にバイクの高速料金は、期間限定ではなく「いつでも普通車の半額」になることが、多くのライダーの願いといえるかもしれません。

ネットの声

「事務の煩雑さや間違い予防のためにというが、軽自動車と二輪車は間違いようがないでしょう。
二輪車向けのツーリングプランなるものもありますが、予約が必要など非常に使い勝手の悪いものになっています。
管理設置者も道路公団から民間企業のNEXCOに移行し、経営の効率化を図るはずでしたが、料金の引き下げなど利用者にとってのメリットは見えにくいままです。
地方へ行くと高速道路と言いつつ対面通行の暫定2車線の道路も多く、料金を徴収する意味の理解に苦しむところもあります。
何とかユーザーのための高速道路であって欲しいものです。」

「高速道路・有料道路を利用する車両は全て予約制にしてみれば、いかに二輪車の割引が煩雑なのかが理解できるのではないか。政治家も官僚も二輪車を利用している人が少ないので、割引などの発想が出てこないし、ライダー・メーカーの声を無視しても、大したことないと実感しているのが全て。
料金のバランス感覚が欠如しているんでしょうね。」

「2人しか乗れず、荷物も積めないバイクと4人乗れて荷物もたくさん積める軽自動車が同じというのは理解できない。軽自動車とバイクなら区別も一目瞭然。区別がつきにくくて軽自動車と一緒にしたって言うけれど、軽自動車とコンパクトカーの方がナンバープレートを見ない限り区別がつきにくいよ。今はETCも普及してるし、そのうち高速をETC専用にするなら軽自動車とバイク料金は分けるべき。」

おすすめの記事