
HONDA CBX125Fは、80年代のバイクブーム期に「原付二種で本気のスポーツ」を狙って作られた、125ccロードスポーツです。
国内では1984年にCBX125カスタムと同時に登場し、125ccクラスとしては珍しい高回転型のDOHC4バルブ単気筒を搭載しました。
燃焼室に半球形状を採り、バルブを放射状に配置するRFVCの思想を125ccに落とし込んだことが最大の見どころで、当時としてはかなり豪華な設計です。
さらにキャブレターを2基使うデュアルインテーク方式で吸入効率を稼ぎ、回して伸びる気持ちよさを狙っています。
ハーフタイプのロケットカウルに丸目ライトという独特の顔つきも相まって、今見ても「90年代以前のホンダらしさ」が濃い一台です。
1987年には排気騒音を主とした静粛性向上の仕様変更が入り、普段使いの扱いやすさも磨かれました。
1992年にはカラーリング変更が行われ、同時期の国内向け主要諸元として全長1940mm、タンク12L、6速ミッションなどが公表されています。
1993年モデルでは中低速域のスムーズさに配慮してギア比を見直すなど小変更が入り、国内カタログ上は最終モデルとされています。
現在は当然ながら新車販売はなく、中古市場で状態の良い個体を探す楽しみが中心です。
旧車扱いのため、購入時はキャブ同調、電装、カウル割れ、錆、足回りのへたりなどを丁寧に確認すると失敗しにくいです。
一方で、軽い車体と高回転型エンジンの組み合わせは今でも爽快で、通勤から週末の峠道まで「回して遊ぶ」原付二種として刺さる人には強く刺さります。
この記事では、CBX125Fの特徴と乗り味、そして主要スペックを、現代の目線で分かりやすくまとめます。
Table of Contents
どんなバイク?
CBX125Fをひとことで言うなら、「125ccなのにスポーツバイクらしい骨格と演出がちゃんとある」モデルです。
まず外観の主役は、ハーフカウル一体のロケットカウルで、当時のレーサーレプリカ文化の空気をしっかり背負っています。
丸目ライトをカウルに収めたスタイルは好みが分かれますが、逆に言えば唯一無二で、実車でも写真でも記憶に残りやすい顔つきです。
エンジンは空冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒で、排気量は124ccです。
RFVC由来の燃焼効率を狙った設計に加え、デュアルインテークキャブでレスポンスと伸びを両立させようとしています。
数値上は17PS級の高回転型として紹介されることが多く、同クラスの中でも「上まで回して気持ちいい」方向性が明確です。
変速機は6速リターン式で、原付二種では珍しくクロス気味の段付きが楽しめるのもポイントです。
車体は全長1940mm、ホイールベース1280mmとコンパクトで、取り回しとすり抜け性能は今でも武器になります。
ブレーキは前が油圧ディスク、後ろがドラムという定番構成で、当時の125としては堅実です。
タイヤは前16インチ、後18インチという組み合わせで、見た目のバランスと軽快なハンドリングに効いています。
燃料タンクは12Lと余裕があり、燃費の良さと合わせて「意外に航続距離が長い原付二種」になっています。
ただし、キャブが2基のため、長期放置車は同調が崩れて本領を出しにくいことがあります。
購入後に調子を出す過程も含めて楽しめる人ほど、CBX125Fの味わいを深く感じられるはずです。
それでもCBX125Fには、旧車ならではの濃いキャラクターと、回した時の高揚感があります。
HONDA CBX125Fのインプレッション
実際に走らせると、まず感じるのは「車体が軽く、細く、すぐ向きが変わる」ことです。
ハンドルを切った瞬間から反応が早く、狭い路地や駐輪場でもストレスが少ないので、通勤バイクとしての素質は高いです。
一方でエンジンは、低回転でどっしり粘るというより、回転を上げるほど元気になっていくタイプです。
街中では3000〜6000rpmあたりを丁寧につないでいくと扱いやすく、回す準備が整った感じになります。
そして7000rpmを超えたあたりから、吸気がスッと整って加速が伸びる感覚があり、ここがCBX125Fらしい快感ポイントです。
125ccでこの「上まで回して遊べる」感触が味わえるのは貴重で、原付二種でもスポーツ気分を求める人に向きます。
6速があるため、回して楽しい領域をキープしやすく、峠道ではギアを選びながらリズムよく走れます。
反対に、のんびり巡航だけだと、車体の演出ほどの刺激を感じにくいかもしれません。
振動は単気筒らしくそれなりにあり、長距離では手がしびれるという声も見かけます。
ブレーキは現代基準では絶対的な制動力よりコントロール重視で、前後の荷重移動を意識すると安心して止められます。
足回りは年式相応にへたっている個体も多いので、フォークオイルやリアショックの状態で乗り味が大きく変わります。
整備が行き届いた車両は、軽さとエンジンの吹け上がりが気持ちよく、原付二種とは思えない満足感を出してくれます。
逆に整備不足だと、デュアルキャブ由来の不調が出やすいので、購入後は基本点検を前提に考えると安心です。
総じてCBX125Fは、旧車の手間を受け入れる代わりに、回して走る楽しさをくれる「遊べる通勤快速」です。
HONDA CBX125Fのスペック

CBX125Fは年式や仕様変更で数値が前後するため、ここでは国内向けJC11系を中心に「公表値」と「代表値」をまとめます。
特に最高出力は、1987年や1992年のホンダ発表では17PS表記があり、バイクブロスの最終モデル1993年では15PS表記になっています。
購入や整備の判断では、年式とキャブ・点火・マフラーの状態で体感が変わる点も合わせて見てください。
| 車名 | HONDA CBX125F |
|---|---|
| 型式 | JC11(国内向け) |
| エンジン型式 | JC11E |
| エンジン種類 | 空冷4ストローク DOHC 4バルブ 単気筒 |
| 総排気量 | 124cc |
| 内径×行程 | 58.0mm × 47.0mm |
| 圧縮比 | 11.0 |
| キャブレター | デュアルインテーク(キャブ2基) |
| 最高出力(参考) | 17PS/11,500rpm(1987・1992公表)/15PS/11,500rpm(1993最終モデル表記) |
| 最大トルク | 1.1kg-m/8,500rpm(公表値) |
| 変速機 | 常時噛合式6段リターン |
| 駆動方式 | チェーン |
| 全長×全幅×全高 | 1,940mm × 680mm × 1,120mm |
| ホイールベース | 1,280mm |
| 最低地上高 | 180mm |
| シート高 | 770mm |
| 車両重量 | 117kg(1992公表)/119kg(1993表記) |
| 乾燥重量 | 105kg(1992公表)/107kg(1993表記) |
| 乗車定員 | 2名 |
| 燃料タンク容量 | 12L |
| 燃費(参考) | 60.2km/L(50km/h定地走行テスト値)/45.0km/L(60km/h走行時・1993表記) |
| 航続距離(概算) | 約540km(満タン時・参考値・1993表記) |
| 最小回転半径 | 2.2m |
| 点火方式 | CDI式マグネット点火 |
| 始動方式 | セルフスターター |
| エンジンオイル容量 | 1.2L |
| フレーム | セミダブルクレードル |
| 前サスペンション | テレスコピック |
| 後サスペンション | スイングアーム式(ツインショック) |
| 前ブレーキ | 油圧式ディスク |
| 後ブレーキ | 機械式リーディングトレーリング(ドラム) |
| キャスター/トレール | 27°00′/90mm |
| タイヤサイズ(前) | 80/100-16 |
| タイヤサイズ(後) | 90/90-18 |
| メーター | アナログ(燃料計・タコメーターあり:1993表記) |
| ヘッドライト | 35W/36.5W(Hi・1993表記) |
| 装備 | センタースタンドあり(1993表記) |
みんなのインプレッション
『125ccながら速い』
『キャブ調整が大変』
『燃費と走りがとにかく良かった』
『信頼のホンダだと痛感しました』
『125ccは軽い。取り回しもいい。エンジンもレッドゾーンまではいかないもののよく回る方かなと思います。』
『とにかく回るエンジン、空冷とは思えないぐらいスイスイ回る。ライポジが優しくてシートも厚いので、遠乗りも苦にならない。高速域でも安定して走ってくれる。』
『スポーツを主張してくるエンジン。良く回るレーシーな味付けはオフ系や4ミニの単気筒とは明らかに違う。』
『吸気系がいかんせん神経質。キャブまわりの部品はほぼ廃盤。完調の維持が極めて難しい。』
出典:みんカラ(CBX125F クルマレビュー)。
出典:Webikeバイク選び(CBX125 レビュー・インプレ)。

