バモスの登場は1970年。
オープンカータイプの軽トラックでした。
昭和の時代はたくさんのユニークな車が発売されましたが、その中でも珍車扱いの変わり種。
売れ行きも悪く、月産2,000台を見込んでいたものの生産台数はわずか2,500台という不人気ぶりでした。
見た目オフロードなのに4WDタイプが設定されていなかったのが不人気の原因とされています。
どんなクルマ?
正式な車名は『バモスホンダ』で1970年に登場しました。
フロントシート下に4気筒+日本初のDOHCエンジンを搭載。
伝説的な軽トラック「T360」の後継車となるTN360がベースです。
↑余分な装飾が一切ない(というよりオープンすぎて装飾しようがないのですが…)
オープンエアと呼ぶにはオープンすぎるかっこよさです。
見た目、軍用車っぽいのですが4WDではないのが残念。
それでも軽4なので軽くてキビキビ走りますよ。
見た目バギーっぽいのに4WDがないのは返す返す悔やまれます。
スタイルはとにかくユニーク。
法規の緩さもあって、現在では不可能なスタイリングです。
見ての通りドアがなく、代わりとなるのが保護用ガードパイプ。
標準仕様には幌さえないという豪快さでした。
↑幌のあるバージョン。
実用性がありそうですが、やはり遊びに使うのがピッタリと思うのは現代感覚だからでしょうか。
単一バージョンではなく、
バリエーションは、2人乗り、4人乗り、4人乗り+幌の3つというものでした。
シートは防水加工が施され、フロアも水洗い可能な点がポイント高いです。
随所に楽しい雰囲気が満載で、日本初のレジャーカーという声もありますよ。
しかし、逆に考えてしまうとレジャー以外何に使うのだろうという疑問も出たことでしょう。
当時は、まだまだセカンドカーという概念が薄かった時代ですからね。
ホンダ側の想定は、乗り降りがしやすいことといった機動性を活かした遊びに加え、
農林水産管理や牧場といった野外作業の移動や配達を想定したようです。
業務用も想定していた、というよりも業務用がメインだったのかもしれません。
しかし、前述したように足かけ4年間で2,500台しか売れず1973年に初代バモスは生産中止となりました。
バモスのインプレッション
1970年から4年間しか発売されていません。
しかも、生産台数は2,500台。
珍車中の珍車といってもいいでしょう。
ですので、走っているところを見たことのある人は稀なのでは…。
なんて思っていたらさにあらず。
走ってなんぼの車ですし、初代バモスを持っているのはそれだけでステータスなのです。
そのため、バモスユーザーはがんばって車体を維持して走らせているようです。
その証拠に令和になってもあちこちで目撃情報があります。
開拓者精神に溢れて、日本が元気だった頃の車にはずっとがんばってほしいですね。
乗り心地は…お世辞にも良いとは言えなかったようです。
フラットシートですしね。
バモスのスペック
概要 | |
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製造国 | 日本 |
販売期間 | 1970年11月 – 1973年3月 |
ボディ | |
乗車定員 | 2/4名 |
ボディタイプ | オープンカー型ピックアップトラック[2] |
エンジン位置 | リアミッドシップ |
駆動方式 | ミッドシップ |
パワートレイン | |
エンジン | TN360E型:空冷 360 cc 直2 SOHC 30 PS |
変速機 | 4速MT |
サスペンション | |
前:マクファーソンストラット+コイルスプリング 後:ド・ディオンアクスル+半だ円リーフスプリング |
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車両寸法 | |
ホイールベース | 1,780 mm |
全長 | 2,995 mm |
全幅 | 1,295 mm |
全高 | 1,655 mm |
車両重量 | 520 kg |
その他 | |
生産台数 | 2,500台 |
みんなのインプレッション
「こういう面白さがあってこそがホンダの醍醐味だね。」
「これ、今でも維持が出来る補修部品などが出てくるなら欲しいなぁ」
「最近雨の中走っているのを見てびっくりすると共に感激した。」
「こういう安くてドキドキするデザインの車とかバイクつくってほしいなぁ。ホンダはロードフォックスとかこの手のものを作ったりするんだけど、いざ売り出すと買う人が少ない。時代(庶民が趣味にお金を出せるような)がなかなか合わないのかなぁ。NSXとかは成功者だけだったし。今度のCT125は成功してほしいなぁ。」
「昔、近所の酒屋さんが配達に使ってました。リアシート外して。夏は、ビール、冬は灯油のポリを満載してました。雨の日はカッパ着て運転してました。」