
HONDA XR BAJA(エックスアール バハ)は、1990年代から2000年代にかけてオフロードバイクファンを熱狂させた伝説的なモデルです。
このバイクは、メキシコのバハ・カリフォルニア半島で開催される過酷なオフロードレース「バハ1000」の名を冠しており、その名の通り圧倒的な走破性と耐久性を備えています。
初代モデルは1987年にXLR250Rをベースに登場し、その後1995年にはフルモデルチェンジを受けてXR250 BAJAへと進化を遂げました。
最大の特徴は、夜間の視認性を飛躍的に高める巨大な「デュアルヘッドライト」であり、その独特なルックスは今なお多くのライダーの記憶に刻まれています。
本記事では、中古市場でも根強い人気を誇るHONDA XR BAJAの歴史、スペック、そして実際に乗ったユーザーの生の声を、合計4,000文字を超える圧倒的な情報量で徹底解説します。
発売当初から最終モデルに至るまでの変遷や、現代の視点から見た魅力についても詳しく触れていきます。
空冷エンジンの力強い鼓動感と、どこまでも走っていけそうな安心感を持つこの名車について、その真髄に迫りましょう。
XR BAJAがなぜこれほどまでに愛され続けているのか、その理由を一つずつ紐解いていきます。
最新の排ガス規制等により、現在は新車で購入することはできませんが、中古車選びのポイントなども含めて詳しく紹介します。
ツーリングから林道走行、さらにはキャンプツーリングまでこなす万能選手の秘密を余すことなくお伝えします。
Table of Contents
どんなバイク?
HONDA XR BAJAを一言で表現するならば、「究極の旅バイク」であり「タフなアドベンチャーマシンの先駆け」です。
ベースとなったXR250は、ホンダがオフロード競技で培った技術を惜しみなく投入した本格的なエンデューロモデルに近い性格を持っていました。
そこに、長距離走行を快適にするための装備を加えたのがBAJA(バハ)仕様です。
1995年に登場した空冷4ストローク単気筒エンジン(MD17E型)は、最高出力28PSを発揮し、低回転から高回転まで非常に扱いやすい特性を持っています。
特に「RFVC(放射状4バルブ燃焼室)」構造を採用したことで、燃焼効率が高められ、単気筒らしい力強いトルクを実現しています。
また、潤滑方式には「ドライサンプ方式」が採用されており、激しいオフロード走行でもエンジンの焼き付きを防ぐ工夫が施されています。
車体構成においても、軽量かつ高剛性なセミダブルクレードルフレームを採用し、路面からの衝撃をしなやかに受け止めます。
フロントには大径21インチ、リアには18インチのホイールを装着し、本格的なオフロードタイヤの選択肢も豊富です。
そして何より、BAJAのアイデンティティである2灯式ヘッドライトは、単なるデザインではありません。
これは夜間のラリー走行を想定したもので、一般的なオフロードバイクのヘッドライトとは比較にならないほどの光量を誇ります。
14リットルという大容量の燃料タンクも、当時のオフロードバイクとしては異例の大きさであり、無給油での航続距離を大幅に伸ばしました。
デジタルメーターの採用やセルフスターターの装備など、当時の最新技術が詰め込まれた一台でした。
最終モデルは2003年頃まで生産され、その後はXR250自体のモデルチェンジとともに歴史に幕を閉じましたが、その存在感は今も衰えていません。
現在ではネオクラシック・オフロードとしての価値も高まっており、状態の良い個体は高値で取引されることも珍しくありません。
ホンダのモノづくり精神が凝縮された、まさに「壊れない、どこへでも行ける」バイクの代名詞と言えるでしょう。
そんなXR BAJAの魅力をさらに深掘りしていくため、実際の走行映像やインプレッションを確認してみましょう。
XR BAJAのインプレッション
実際にXR BAJAに跨ってみると、まず感じるのはその「安心感」です。
シート高は880mm(年式により若干異なる)と高めですが、サスペンションがしなやかに沈み込むため、数値ほどの足つきの悪さは感じません。
エンジンを始動すると、空冷シングル特有の小気味よいサウンドが響き渡ります。
クラッチを繋いで走り出すと、低速域からの力強いトルクが車体を力強く前に押し出します。
街中でのストップアンドゴーも苦にならず、軽量な車体(乾燥重量約118kg)のおかげで取り回しは非常に軽快です。
特筆すべきは、やはりオフロードでの走破性です。
荒れた林道に持ち込むと、フロントサスペンションが絶妙に路面を捉え、初心者でも安心してアクセルを開けることができます。
大きなヘッドライトガードがあるためハンドリングが重そうに見えますが、実際にはバランスが良く、タイトなコーナーでも狙ったラインを通れます。
高速道路では、カウルがないため走行風を直接受けますが、100km/h巡航も十分にこなせるパワーを持っています。
大容量タンクのおかげで、長距離ツーリングでもガソリンスタンドの心配をせずに走り続けられるのは大きなメリットです。
夜間の走行では、自慢のデュアルヘッドライトが威力を発揮します。
左右に広がる配光は夜の山道でも視界を広く確保し、旅の安全性を高めてくれます。
シートはオフロードバイクとしては幅広で厚みがあり、お尻が痛くなりにくい工夫がされていますが、400kmを超えるようなロングツーリングではやはり相応の疲労感はあります。
しかし、その不便ささえも「バイクを操っている」という喜びに変えてくれるのがBAJAの不思議な魅力です。
メンテナンス性も非常に高く、シンプルな構造ゆえに自分で整備を楽しむオーナーが多いのも特徴です。
オイル交換やプラグ交換といった基本作業がしやすく、長年付き合っていくパートナーとしてこれ以上のバイクはなかなか見当たりません。
最新のアドベンチャーバイクのような電子制御はありませんが、右手のひねりにリニアに反応するエンジン特性は、ライダーに操る楽しさを思い出させてくれます。
古き良き時代のホンダが作った、本物の道具としての美しさと機能が同居しているバイクです。
XR BAJAのスペック

| 項目 | 詳細データ |
|---|---|
| バイク名 | HONDA XR250 BAJA(1996年モデル) |
| 型式 | MD30 |
| 全長×全幅×全高 | 2140mm × 820mm × 1220mm |
| 最大出力 | 28PS / 8,000rpm |
| 最大トルク | 2.6kg・m / 7,000rpm |
| ホイールベース | 1405mm |
| 最低地上高 | 270mm |
| シート高 | 870mm |
| 乾燥重量 / 車両重量 | 118kg / 135kg |
| エンジン形式 | 空冷4サイクルOHC4バルブ単気筒 |
| 総排気量 | 249cc |
| 燃料タンク容量 | 14.0リットル |
| 燃料供給方式 | キャブレター (VE88) |
| 始動方式 | セルフスターター式 |
| 変速機形式 | 常時噛合式6段リターン |
| タイヤサイズ(前) | 3.00-21 51P |
| タイヤサイズ(後) | 4.60-18 63P |
| ブレーキ形式(前後) | 油圧式ディスク |
スペック表を見ると、現在の250ccクラスと比較しても引けを取らない高い基本性能を持っていることがわかります。
特に最高出力28PSは、近年の環境規制適合モデルよりもパワフルであり、キビキビとした走りを楽しむことができます。
また、14リットルのタンク容量は、リッター30km前後の燃費であれば400km以上の航続距離を可能にします。
このスペックの高さが、生産終了から年月が経過しても多くのライダーを惹きつけてやまない理由の一つです。
みんなのインプレッション
『とにかくエンジンが丈夫で、適切なオイル交換さえしていれば10万キロを超えても元気に走ってくれます。この時代のホンダ車は本当に作りが良くて感心します。』
『巨大な2灯ライトが夜間の林道ツーリングで本当に心強いです。見た目は少し個性的ですが、使ってみると機能美だとわかります。』
『14Lタンクのおかげで給油回数が少なくて済むのが最高です。北海道ツーリングでもガソリンの心配をせずに走り回ることができました。』
『シートがオフ車にしてはふかふかで長時間座っていても疲れにくいです。ただ、足つきはそれなりに高いので、身長が低い人は少し気合が必要です。』
『デジタルスピードメーターが多機能で見やすいです。時計やトリップメーターなど、旅に必要な情報がしっかり揃っています。』
『セルフスターターがあるのは本当に助かります。林道でエンストした時や、真冬の寒い朝でもボタン一つで目覚めてくれる安心感は絶大です。』
『キャブレター車ならではのレスポンスが楽しいです。最新のインジェクション車にはない、荒々しさと懐の深さを同時に感じることができます。』
『部品の廃盤が進んできているのが唯一の悩みですが、それを差し引いても所有する価値がある名車だと思います。手放す理由が見つかりません。』
多くのユーザーに共通しているのは、「タフさ」と「旅への適性」への高い評価です。
単なる移動手段ではなく、冒険のパートナーとして信頼されている様子が伝わってきます。
デメリットとしては、経年劣化によるパーツの供給不安や、デジタルメーターの液晶焼けなどが挙げられますが、愛着を持って維持しているライダーが非常に多いバイクです。
これから購入を考えている方は、エンジンの異音チェックはもちろん、ライト周りの配線の状態やタンク内の錆などを重点的に確認することをお勧めします。
一生モノの相棒になり得るポテンシャルを秘めたHONDA XR BAJA。あなたもこの名車と共に、まだ見ぬ景色を探しに出かけてみませんか。
以上、HONDA XR BAJAの詳細解説でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。

