1986年に登場したJAZZはスーパーカブと同じ横型エンジンを搭載していました。
流麗な原付1種アメリカンとして人気となったバイクです。
ティアドロップ（涙滴）型のフューエルタンクも特徴的でしたね。
どんなバイク？
アメリカンならでは低いシート高、長いホイールベース、前方に長く傾斜したフロントフォーク…。
これだけをとってみても50ccクラスとは思えない堂々としたクルーザースタイルでした。
後輪には、量産車では日本初となるミラードホイールに、4.5インチ幅のワイドタイヤが装着されていました。
太いタイヤがボリューム感たっぷりで所有欲を満たしてくれたものです。
あまり知られていませんが、フラットバーハンドルを採用したモデルもありましたよ。
1986年の登場から、カラーのみの仕様変更で約10年間生産されました。
モデル後半期の1995年に、同じ横型エンジンの原付1種アメリカンとしてマグナ50（マグナフィフティ）が登場しました。
並行販売されながら、まもなくJAZZは生産終了となったのです。
ジャズのインプレッション
原付50ccのアメリカンならマグナ派とJAZZ派に分かれるかもしれません。
もちろん、それ以外にも原付サイズのアメリカンは存在していました。
ヤマハのRX50スペシャルもありましたよね。
当時のヤマハはアメリカンモデルに“スペシャル”を付けていました。
それでも、本格的なアメリカンモデルとなるとJAZZを推す人が多いのです。
というよりも、誰もが納得するのではないでしょうか。
何よりもフォルムが素晴らしいです。
手前に引くように延びたプルバックハンドル。
↑先述したようにフラットバーハンドルタイプもありましたがこれはちょっと…。
ずっと見続けていても飽きないティアドロップ型フューエルタンク。
美しい形状にはほれぼれします。
そして600mmのシート高に原付とは思えないロングホイールベース。
これこそアメリカンという感じです。
フロントフォークなんて前方に長く延びていましたから。
カブのエンジンでもマフラーを代えるとそれなりの轟音です（そのままでも味がありましたよ）。
当然、カスタムする人も多かったのですが、そのままでも完成されていたバイクです。
短所としては遅いこと…
これはもう仕方のない部分なのですが、急な坂道は減速して止まってしまうのでは？なんて思ったほどです。
スピードに乗って駆け上がればなんともないのですが、途中で失速すると回復できなかったですね。
それを織り込んでしまえば唯一無二の良いバイクでした。
ジャズのスペック
| AC09型ジャズの諸元 | |
|---|---|
 画像は本田技研工業より引用 |
|
| 車両型式 | A-AC09 |
| お値段 | 239,000円 |
| 排気量 | 単気筒49cc |
| 最高出力 | 3.9PS[2.9kW]/7500rpm |
| 最大トルク | 0.43kgm[4.2Nm]/6000rpm |
| 30kmh燃費 | 110.5km/L |
| 全長幅高 | 1910mm/775mm/995mm |
| 面積&体積 | 1.480m²/1.473m³ |
| 地上&座面 | 135mm/600mm |
| 車両重量 | 83kg |
| タイヤ | 前:2.50-16 後:4.50-12 |
| ブレーキ | 前:ドラム 後:ドラム |
床の間に飾っておきたいバイクでした。
手放したのがもったいなかった…。
遅いバイクだったので、交通の流れには乗りにくかったです。
国道といった交通の流れを速い公道を走るよりも、田舎道をテクテク走るバイクでしたね。
速さを求めなければ最高の相棒です。
今でも手に入るようですが、状態の良いJAZZは皆無でしょう。
手に入っても整備が大変かも。
それでも飾っておいても絵になるバイクですよ。
みんなのインプレッション
「燃費が良い・ゆっくりのんびりのほほ～ん・スタイルの良さ（スマート）。パワーが無いアクセルを振り絞っても55km/hぐらいしか出ない。上り坂だと40km/hが精一杯。でもまあ、原付は公道30km/h規制だしね。」
「何しろ燃費。いつでもフルアクセルでリッター５０kmはいった。それとエンジンの耐久性。２万キロ以上走ってもメーターを振り切った。またエンジンオイルが空なのに気づかずに何の変化もなくはしってた。」
「 乗りやすいスタイル（マジで）スマート。フカフカのシート（ＮＳ－1乗ったあとこれのるとすごく実感できる）。けっこう いじれるパーツがある。めずらしいのか けっこう注目を集める（族みたいなクズに注目集められても盗まれるだけだけど）モンキー用パーツもいくつか付くのがうれしい」
「やっぱり燃費。５０KMは余裕だね。シートの座り心地とライディングポジション。Ｒタイヤ、極太。乗り始めて3年目なのにエンジンがキックで一発（俺のだけ？）。メーター3週目なのにマックス８０はでる（うなるけどね）」
「無給油で約200km走る足の長さと経済性。スクータより直進安定。また、カーブも体をかたむけただけで曲がる。60km/hで90度コーナーにつっこむとステップを擦りますが…50km/hなら大丈夫曲がれます。ポジションは楽なようで、長距離は腰がきついですね。」
