北米ではバルカン2000という名前で売り出されたVN2000。
2004年に8倍されたアメリカンクルーザーです。
排気量は2,000ccの水冷Vツインエンジンを搭載。
V型2気筒エンジン搭載モデルとしては、当時世界最大排気量でした。
177Nmという最大トルクを3,000回転で発生させていました。
造形の美しさが最大の特徴
メガサイズのVツインに注目が集まりがちですが、造形の美しさも発売時から注目されていました。
OHVのバルブ駆動形式を採用したことでシリンダー脇に存在したプッシュロッドやエンジンカバーなどはクロームメッキ処理されていたのです。
全体のスタイリングは、伝統的なクルーザースタイルそのもの。
リアサスはリジットに見えながらモノショックを備え、ハーレー風に言うとソフテイルスタイルを採用していたのです。
外観デザインでは、プロジェクターランプを3つ並べたガトリングガン(多砲身式機関銃)スタイルのヘッドライトも特徴的でした。
後にVN2000クラシック/LTをバリエーションとして加えましたが、このヘッドライトはVN2000のみの採用だったのです。※海外専用モデル
新しいアメリカンの形
アメリカンはどれも似たようなデザイン…というのが長い間のイメージでした。
しかし、カワサキのVN2000はそういった従来のアメリカンのイメージを取り払い、新しいトライを具現化して私たちに見せてくれたのです。
ビッグバイクを世に示すことを伝統としてきたカワサキとすれば一つの必然だったのでしょう。
期待され、期待通りにできたクルーザーがVN2000だったのです。
常に世界一を目指すカワサキとすればVツインで2053ccというパワーは必然とも言えますね。
外観は巨艦そのもの…跨がるのも怖いくらいの大きさです。
しかし、そこはカワサキ…こびることなく「大きいものは大きいのだから納得して乗ってくれ」と言わんばかりの割り切りの良さを感じさせてくれます。
体力や体格の足りない人には難しいかも…そういう人にも「そんな人は遠慮してくれ…」なんて言われそうです。
しかし、こんなバイクもあっていいでしょう。
ライディングポジションがとにかく大きいのです。
ハンドルは幅広くシートも巨大。
小柄な人が乗ったらハンドルを握ると腕が伸びきってしまう…なんてことはなくハンドルが適度に寄せてくれています。
跨がってみると重厚感は当然あるのですが、ひょっとしたら乗れるかも??なんて思えるところも、カワサキの作りの良さが光るところです。
バイクはバランスだから体格や体力は関係ない…そう思えるんですよ。
アメリカンは重心が低いので安定感は抜群です。
取り回しの重さはしょうがないですが、他のバイクと違って跨がってよちよち歩くのが正しい取り回しです。
そうすると、途端に「私にもできそう」と思えるから不思議ですね。
VN2000のスペック
型式 | VN2000A |
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全長×全幅×全高 | 2,535×985×1,155(mm) |
ホイールベース | 1,735mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 680mm |
乾燥重量 | 340kg |
エンジン | 水冷4ストロークOHV4バルブV型2気筒・2,053cc |
ボア×ストローク | 103.0×123.2(mm) |
圧縮比 | 9.5:1 |
最高出力 | 116ps/5,100rpm |
最大トルク | 19.5kg-m/3,000rpm |
燃料タンク容量 | 21ℓ |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
キャスター/トレール | 32°/182mm |
ブレーキF | ダブルディスクφ300mm |
ブレーキR | シングルディスクφ320mm |
タイヤサイズ/F | 150/80R16 |
タイヤサイズ/R | 200/60R16 |
アメリカンといえばその巨体から鈍重なイメージがあります。
しかし、実際のアメリカンはアクセルをひねれば怒濤の加速を見せてくれます。
VN2000も同様で、2速で軽々と100km/hにしかも瞬時に到達するのです。
怒濤の加速力ですよ。
また、重い車体でありながら、ハンドリングは軽快そのもの。
バイクって軽くても重くても走り出せばなんとかなるものですよね。
そして、重心が低いので安定感が抜群。
高速走行や峠のワインディングでも恐怖感を感じることは少ないでしょう。
適度な自制心は必要ですが、そういった気持ちを持てば運転が破綻することはありません。
とはいっても、アメリカンには慣れも必要です。
そんな慣れを克服したい、かっこよく乗りたいと思わせるバイクがVN2000なのですね。
みんなのインプレッション
「クラシックLTの為スタイルと積載性は抜群。車重に負けない怒涛のトルク。」
「他を圧倒するデカさ・2リッターの排気音・アメリカンとは思えない加速・・・ある意味ハーレーダビッドソンより目立ってます。」
「でかい!ハンパな覚悟では乗れません。でも確実に俺の自己満足感を満たしてくれるバイクです。ハーレーと比べてはいけません。別物です。とりあえず信号待ちで横に並んだ車からの視線が熱いです(笑)。」
「とにかくでかくて重い!しょうがないね、2000CCだもん。週末戦闘機です。だって確実に渋滞に巻き込まれるし、ガソリンをハンパなく食べる食いしん坊だから。これ何CC?ってのはいろんなところで必ず聞かれる質問ですね。」
「取り回し重すぎ。これは自らの肉体を鍛えることでカバー。燃費わるー!ハイオクなのも痛い。ま、しょーがないね。」