「人を好きになる気持ちが分からないんです」
大学一年生の海松子(みるこ)は、対人関係が苦手。
お洒落や恋には興味なし。
特技は脳内で他人に(ちょっと失礼な)あだ名をつけることで、口臭から相手が食べたものを当てる能力を磨き中。
友達は、人の髪型や服を真似する「まね師」の萌音(もね)だけ。
人を好きになる気持ちもわからないのに、幼馴染とイケメン社会人から好意を寄せられていて!?
「あんまり群れないから一匹狼系なんだと思ってた」
「片井さんておもしろいね」「もし良かったらまた会ってください」
「しばらくは彼氏作らないでいて」「順調にやらかしてるね」
――「で、あんたはさ、高校卒業と大学入学の間に、いったい何があったの?」
風変わりな女子大学生が主人公で、綿矢りさワールド全開!
周りとうまくやりたいのにやれない主人公の、不器用で愛おしい恋愛未満小説。
綿矢りさ「オーラの発表会」再読。
1回目読んだ時「めっちゃいい!好き!」ってなったけど、内容を知って2回目読む感じではないなーと思い放置していて、数年ぶりに読んだら内容ほとんど忘れててまた存分に楽しめた。大学生のときに読みたかったな。海松子と萌音みたいな関係性羨ましい。— yan-kana (@yankana3) April 20, 2024
【著者プロフィール】
綿矢りさ(わたや・りさ)
1984年京都府生まれ。早稲田大学教育学部卒業。
2001年『インストール』で第38回文藝賞を受賞しデビュー。
2004年『蹴りたい背中』で第130回芥川龍之介賞を受賞。
2012年『かわいそうだね?』で第6回大江健三郎賞を受賞。
2020年『生のみ生のままで』(上・下)で第26回島清恋愛文学賞を受賞。
「たった今読み終えたところですが最高の一言に尽きる!
勝手にふるえてろ、私をくいとめて、など好きな人は絶対にハマると思う。」「登場人物すべての人が生き生きしている。主人公はこの後の人生も違和感は感じる点はありながらも、幸せに暮らせるだろう余韻が良い。
綿矢りさっていつの間にか、こんなに人の心の機微に触れるような作品描く作家になったんだね。
彼女の一番良い作品だと思う。」「まずはその装幀にしばし見惚れ、読み出したら、小さなトゲトゲがいっぱいあって、甘い香りもそこかしこにあり、どんなに巧みな大作家でも書けないフレーズの色っぽさもあり、
ブッダの言葉まで飛び出して、その軽快な深淵の語り口に、末恐ろしい綿矢りさのしなやかさとたくましさを感じて、今後益々楽しみな作家となりました。」
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