世界最強の研究大学 ジョンズ・ホプキンス 黒瀬悦成 (著) 新潮社 (2022/5/18) 1,650円

2018年にコロナ禍を予言

ウイルスの配列解析にいちはやく成功

フェイク情報と戦う――

感染症から人類を守る「頭脳」にして「心臓部」

その内幕が、いま初めて明かされる

この大学の名前が日本でも広く知られるようになったのは、新型コロナウイルスの追跡サイトがきっかけだった。

感染者と死者の人数は、世界中に張り巡らされたスポットから半自動的に集積され、リアルタイムで更新される。

国連も各国政府もこのデータを使ってコロナ対策を立てており、わたしたちが目にする日々のニュースの情報源もここだ。

追跡サイトを開発したのは土木工学が専門の研究者と、地理学と統計学で修士号を取得していた留学生だが、これは専門家を育てながら専門分野の横断を奨励する「ホプキンス・モデル」のほんの一例に過ぎない。

内部資料とキーパーソンへのインタビューを重ね合わせ、最高峰の実像を浮き彫りにするパワーレポート。

《目次》

はじめに 人類を疫病から守り続ける砦

第1章 世界を救った新型コロナ追跡サイト
雑談から生まれた発明
立役者となった留学生
殺到するアクセス
WHOやCDCも活用
シビック・テックの成功例に
正しい情報が隠蔽されたら
ユニセフや世界銀行とも共同で
格差や不公平の是正も
専門分野を横断する
「透明性」求める風潮に合致
「王冠の宝石」

第2章 総力戦でウイルスに挑む
「世界最強」の自覚
瀕死のトランプ大統領を
「破滅的な事態」のメカニズム
治療薬開発の重要度は低下か
若者に深刻なコロナ後遺症
問題は死だけではない

第3章 大学が「予言」していた新型コロナ禍
2018年の警告
RNAウイルスが「地球規模で壊滅的な損害を」
新たなる警鐘
パンデミック対応の核心
次なるパンデミックに備えて

第4章 誤情報・偽情報を撃退せよ
元五輪メダリストの挑戦
相次ぐ図上演習
エコーチェンバーに正しい情報を届ける
エボラ出血熱「虚偽の噂」を検証
ウイルスが引き裂いた社会
専門家としての決意
偽情報で拡がる被害
中国・ロシアによる偽情報工作も
大学も偽情報の対象に
誤情報の4類型
米国を非難する「架空の生物学者」の正体
「俗説」打破の取り組み
チャットボット起動
莫大な被害と損失

第5章 ワクチンをめぐり割れる議論
接種推進でまとまる世界
ワクチンは「重症化」と「死亡」を防ぐ
「文化戦争」を発動させないために
「適切なワクチン接種」とは

第6章 そして若者は「ジョンズ・ホプキンス」を目指す
激増した入学者
進行する危機からリアルタイムで学び取る
感染追跡の無料オンライン講座も
存在感光る「隠れたアイビー」
ブルームバーグ 大学を支える最強のOB

おわりに 公衆衛生の未来


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