エスキモーになった日本人 大島育雄 (著) 山と渓谷社 (2026/2/17) 1,320円

人生を自分の力で生き抜くための知恵と工夫。

零下50度、地球最北の村、圧倒的な自然――

名著、初の文庫化。

「大島さんはエスキモーの伝統を身につけた本当の猟師であり、生きる伝説です」。
角幡唯介氏、推薦!

ひょっとすると私はもともとエスキモーなのに、生まれる場所を間違えたのかもしれない、と思ったりもする。

しかし、せいぜい六、七十年の人生、どこに暮らそうが、おなじ地球の上、たいして変わりがあるようにも思われない。

好きなことをして暮らすにこしたことはない。

(本文より)。

シオラパルク。

北緯七十七度四十七分、西経七十度四十六分。

北極点まで千三百キロ。

世界最北の村に単独で入り、エスキモーとなった伝説の日本人、大島育雄。

植村直己との交流、キビヤの洗礼、犬橇の習得、結婚、借金生活、北極点到達、ナロオホイヤの思想――。

エスキモーたちのたくましさに圧倒されながらも、酷寒の地で生きるための知恵と工夫、生きざまに魅了された。

極北で「猟という、人類にもっとも古い職業の一つにたずさわる」ことを決めた男の物語。

解説/角幡唯介

1989年発刊の名著『エスキモーになった日本人』(文藝春秋)を再編集のうえ、新たな写真を追加して復刊・文庫化!

■内容

復刊に寄せて 大島育雄

一 最北の村
二十五歳で最北の村へ/植村直己さんの笑顔に安心/まず排便作法/キビヤの洗礼/真上に輝く北極星/極地の魅力/子供たちが言葉の先生/オヒョー釣りで意外な獲物/発酵と腐敗

二 見習い猟師
ふらりとプラット/ある失敗/犬橇をもつ/初めての獲物/風下を向いて寝るアザラシ/植村さんが怒った/「植村語」/五百点近く民具を収集/ピアリーの孫

三 結婚
運命をわけた日大山岳部/TV取材班に同行して/エスキモーという呼称/エスキモーの歴史/無線連絡で結婚話/最北の村の長老/銛頭と柄/赤ん坊の命名法

四 北極点遠征
大きなヘソ/犬百十六頭が酸欠死/犬の事故で計画変更/悪戦苦闘/エスキモーと隊員の摩擦/植村さんと「競争」/盆栽と北極/ポンポン船「沈み丸」

五 嵐
酔っぱらいの横行/ピーターの急死/五本牙のセイウチ/「ないよ、どこにも」/借金生活/でっかい獲物/植村さんの悲報/失敗と教訓

六 照る日 曇る日
雷鳥に化かされる/イミーナ老人の昔ばなし/怪談・伝承/犬と結婚した娘の話/金星の伝説/方向をさがす方法/極北で生きる知恵/猟のライセンスは三種類/自然を相手に

七 四季の猟 春夏
犬橇/白クマ狩り/ウサギ猟/セイウチ猟/アッパリアス獲り/アザラシ猟/イッカク猟/白イルカ漁/トナカイ狩り

八 四季の猟 秋冬
氷/アザラシの網猟/キツネ罠猟/ウサギの罠猟/セイウチを獲る/セイウチの解体/皮の値段

九 村の生活
……のようなもの/ナイフを片手に車座で/酒の制度/キリスト教の浸透/村に一台の電話/夜ふかしの子供たち/猟の実習もある義務教育/神経痛と虫歯/猟師列伝

十 発電所計画
私は猟師なのだ/文明圏の垂れ流しのツケが/ダッコバル/二重国籍/身体髪膚はキズだらけ/発電所建設組合『最北』/夢にみる光景/いま思うこと

解説 角幡唯介

「イヌイットになったご本人が書かれた本です。いろいろな体験話など、とても面白かったです。」

「イヌイットよりイヌイットらしい
日本人 大島さん
厳しい シンプルな イヌイットの狩猟暮らしの日々を綴った 大島さんだけしか書けない 貴重な貴重な記録です。
30年間 現地の言葉で暮らしている大島さんの文章力にも脱帽 !ひきこまれ
何度もよみかえし 常に身につけておきたいとおもえる感動の生活の記録です。」

「色々な人生があると思いますが、大島さんは格別ですね。様々な偶然から導かれたシオラパルクでの暮らしなど、とても魅力的な一冊であると思います。」

「いろいろな出来事の流れからグリーンランドのエスキモー女性と結婚して極北の村に暮らし、猟師を生業とするある日本人の半生記。
現代日本社会からは想像も付かないような著者の日常は驚きの連続です。カルチャーギャップについてはごくサラリと触れて、共に暮らす村人(60人!)や季節別の狩の獲物とその獲り方を詳細に記すなど読者を楽しませる術を生来身に付けているようです。
何があっても淡々と受け入れて流れに逆らわない、著者の生き方自体が本書のメインテーマだと思いました。」

   
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