
それは、私の人生をもう一度、
歩き出すための旅だった。
東京郊外の大きな家で、ひとり暮らしをしている柑(かん)。
なるべく人付き合いを断ち、規則正しく無機質な日々を送っているが、
ある思いを胸に、亡き母の故郷である与那国島を訪ねることを決意する。
それは、柑自身も覚えていないほど幼い頃に犯した、大きな罪と向き合うためだった。
しかし思いがけず、小学6年生の甥っ子・伊吹もついてくることになり……。
忘れられない痛みを抱えながら生きていく、すべての人に贈る物語。
雛倉さりえ
1995年滋賀県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科卒。16歳の時に執筆した短編「ジェリー・フィッシュ」が、第11回「女による女のためのR-18文学賞」の最終候補に選ばれる。同作は金子修介監督により映画化された。他の著作に『ジゼルの叫び』『もう二度と食べることのない果実の味を』『森をひらいて』『アイリス』がある。
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