カインは言わなかった 芦沢央 (著) 文藝春秋 (2022/8/3) 858円

公演直前に姿を消したダンサー。

美しき画家の弟。

代役として主役「カイン」に選ばれたルームメイト。

嫉妬、野心、罠──誰も予想できない衝撃の結末。

芦沢央が放つ、脳天を直撃する傑作長編ミステリー!

男の名はカイン。

旧約聖書において、弟のアベルを殺害し、「人類最初の殺人者」として描かれる男──。

「世界の誉田(ホンダ)」と崇められるカリスマ芸術監督が率いるダンスカンパニー。

その新作公演「カイン」の初日直前に、主役の藤谷誠が突然失踪した。

すべてを舞台に捧げ、壮絶な指導に耐えてきた男にいったい何が起こったのか?

誠には、美しい容姿を持つ画家の弟・豪がいた。

そして、誠のルームメイト、和馬は代役として主役カインに抜擢されるが……。

芸術の神に魅入られた人間と、なぶられ続けた魂の叫び。

答えのない世界でもがく孤独な魂は、いつしか狂気を呼び込み、破裂する。

“沈黙”が守ってきたものの正体に切り込む、罪と罰の慟哭ミステリー。

『汚れた手をそこで拭かない』が直木賞候補、『火のないところに煙は』が本屋大賞と山本周五郎賞候補。

『許されようとは思いません』続々重版中、芦沢央が渾身の力を込めて書き上げた超傑作がついに文庫化!

「この小説そのものが、底の知れない沼のようだ。
読み始めたら、逃げられずに沈んでいく恐怖を快楽にかえて、
読み耽るしかない」──角田光代(解説より)

「有名監督が率いるダンスカンパニーの公演直前、主役に抜擢されたダンサーの失踪を巡るミステリー。
ダンサーの恋人、ライバル、不動産会社の女性社員、元団員の家族らの視点で語られる。

冒頭のシーンが結末にどう結びつくのかが、本作のミステリーとしての醍醐味ですが、それ以上にストイックにダンスを極めようとする者たちや、その彼ら彼女にかかわる家族、恋人達が織りなす人間ドラマの方が濃かったです。」

「大好きな作家さんです。本当に舞台の世界を経験したような表現力とリアルさ。実写化時は藤原竜也さんにやっていただきたい。 」

「よくお調べになってらっしゃるんだろうこと、そのエネルギーの高さにも感服いたします。いろいろなことを表現なさりたかったのだろう。読み返せば違うことに気付けるかも。」


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