スパイと日本人 福山隆 (著) ワニブックス (2021/2/22)

「スパイ天国」と世界から揶揄される日本。いくら最強の装備を備えた軍隊を保持していたとしても、インテリジェンス無くして国の平和を守ることは不可能だ。

韓国駐在武官を終えた直後、韓国内のスパイ事件の首謀者と報道された経験を持ち、インテリジェンスに精通した自衛隊元陸将である著者が、日本人とインテリジェンスの歴史を紐解き、現状に警鐘を鳴らすとともに、熾烈な米中覇権争いの渦中で情報体制の強化を迫られる日本のあるべき姿を模索する。

なかでも、筆者が当時山手線内に駐屯する唯一の実力部隊、第32普通科連隊(市ヶ谷駐屯地)の連隊長を務めた際の部下である清水一尉(当時)が直面した、自衛隊に対するスパイ潜入事件である「反戦自衛官問題」についての第6章は、初めてその全貌が詳細に語られる衝撃の内容である。

「本書は、言わば「自衛隊のスパイ」、それもかなりの大物だったと思われる著者が、今だから明かす話も交えた、日本を巡るスパイ活動の実態の、ほんの一側面である。ここで明かされているのは、恐らくは氷山の一角に過ぎまい。しかし、それだけでも、その内容は恐るべきものだ。年配のビジネスマンなら誰でも知っている碩学を相手に、国費留学のエリート官僚達が無防備に明かしてしまう国家機密の数々、中曽根行革のブレーンが実はソ連のスパイだった、誰もが知る世界有数の名門大学で繰り広げられるプロパガンダ合戦、、、足元から世界が崩壊しそうな衝撃である。だが、これらの事実から、目を背けてはなるまい。21世紀を生き抜こうとする日本人必読の書である。」

「昨年出版の『兵站』で、兵站といういわば裏方からの視点によって、近代戦史に独自の分析と解釈を試みた福山隆氏が、今度は「スパイ」について健筆を振るったと言う。その名もズバリ『スパイと日本人』と直截的に名付けられた本書は、氏の専門であるインテリジェンスの観点からスパイについて解き明かしている。しかし、単なるスパイ列伝ではなく、帯に「インテリジェンスを軽視する国家は国民を守れない」とある通り、日本に欠如している「インテリジェンス機関」(世界では常識の国家情報機関・防諜機関)の重要性を徹底的に論じている、まさしく警世の書である。本書は一般読者にはもちろん、国家国民を護るべき仕事についている人々(政治家、外交官、自衛隊員、警察官等々)にも是非とも一読願いたい「国防の教科書」といえよう。」

「本書を読み終えて真っ先に感じたことは、よく言われる通り「世界の常識は日本の非常識」ということだった。世界では、しのぎを削ってインテリジェンス機関の強化に努めているにもかかわらず、我が国は「戦後レジューム」にどっぷりと浸かったまま、まともなインテリジェンス機関が育っていないことに驚いた。まるでコップの中の平和を享受していた鎖国時代(江戸時代)となんら変わらないではないか。福山隆氏が「日本の真の独立(Independen ce)は情報(Intelligence)の独立から」と指摘したのはまさにその通りで、我々日本人がこのまま半独立国家に甘んじてしまうかどうかは、インテリジェンスの重要性を理解するかどうかにかかっていることを本書を読んで思い知らされた。」


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