コンセントの向こう側 中筋純(著) 小学館 (2021/2/17)

原発事故後の「福島」の切なくも美しい現実

震災後の福島を撮り続けた写真家の膨大なストックの中から厳選した写真に、随筆・詩を添え、「語られない真実」を召還し、「忘却された物語」を紡ぎ出す。

「赤々と煌々とコンセントのこちら側」
「いつも真夜中コンセントの向こう側」

東京のビジネス街や繁華街を鮮やかに彩る光。一家団欒の茶の間を温かく照らす光。

その光はいったいどこから来たのだろうか。その繁栄はいったい何によってもたらされていたのだろうか。

大爆発を起こした福島第一原発。約半世紀かかると言われる廃炉作業は計画通りに進むのだろうか。

膨大な高レベル放射性廃棄物は誰が引き受けるのだろうか。約束された「明るい未来は」どこにいったのだろうか。

科学の名のもとに、放射能という寝た子を起こしてしまった人類は、これから途方もない時間を「目覚めた子」と向き合わなければならない。これは天災でなく、人災なのだから。

【著者】中筋純
1966年和歌山県生まれ。2007年よりチェルノブイリ、2012年より福島を撮り続ける。2016年より「流転 福島&チェルノブイリ」展を全国40か所で巡回。福島関連の表現を続ける芸術家たちの展覧会「もやい展」を主催。

【編集担当からのおすすめ情報】
写真家による美しき怒りの鉄槌。ぜひお手にとってご覧ください。日本の「現実」がこの1冊に凝縮されています。巻末には詳細なインデックス(写真紹介)もございます。また、アーサー・ビナード氏(詩人)、赤坂憲雄氏(民俗学者)、ヴィヴィアン佐藤氏(美術家)、三原由起子氏(歌人)、渡辺一枝氏(作家)が読み応えのある寄稿文を寄せてくださいました。東日本大震災から10年、我々の国はどこへ行こうとしているのでしょうか?。


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