デクリネゾン 金原ひとみ (著) 集英社 (2026/2/20) 1,100円

仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた最新長編小説。

二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。

最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが───。

恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。

「母親と恋愛って、相性悪いよ。ママは無理やり両方こなしてただけじゃん。何だかんだしょっちゅう家空けてたし」

「多くの人はゼロか百かで生きてないんだよ。二、八とか、六、四とかで生きてる。今は世界的にステップファミリーが増えてるし、母親とか父親を恋愛と切り離すのは保守的かつ不自然だよ」

「私はただ、今の生活が心地いいって言ってるんだよ。ママがデートに行くたびにパパたちとかおばあちゃんが駆り出されてるの、なんかちょっとなって思ってたし」

「子供を持ったら恋愛するなって言うの? 別に子供の心地よさを追求してやることだけが親の人生じゃないでしょ。きつかったかもしれないけど、受験勉強をしたから理子は今の中学に入れた。楽な方にいくだけがいいことじゃない」

───本文より

金原ひとみ(かねはら・ひとみ)
1983年東京生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。04年、同作で第130回芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、各国で翻訳出版される。10年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を受賞。12年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。20年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を受賞。21年『アンソーシャル ディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を受賞。25年『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』で第79回毎日出版文化賞(文学・芸術部門)を受賞。 他『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『ミーツ・ザ・ワールド』等がある。

『言葉がすごかった。登場人物も多彩で、その中で主人公の思考や自己について語る言葉がとてもよかった。老いについて感じるところは40前後の女性であれば共感することばかり。女友達との会話もおもしろく、料理描写も生々しくて止まらずに読んだ。』

『リベラルな母と天真爛漫な娘の掛け合いがリアルで面白い。コロナ禍での母親としての姿や恋愛、友人との関係が細かく描かれ、自分のパンデミックの経験と照らし合わせながら読めた。』

『主人公は多くを持ちながらも葛藤し、老いへの自覚や内省的な言葉が刺さる。豪華な食事描写も印象的で、読後に強い感情が残った。』

   
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