疫病2020 門田隆将(著)産経新聞出版 (2020/6/30)

この”怪物”がすべてを暴いた――。

本書は「この星を支配し続ける人類を脅かす最大の敵はウイルスである」というノーベル生理学・医学賞受賞者ジョシュア・レダーバーグの言葉から始まります。

読み進むにつれ、読者の胸にその意味が迫ってくるでしょう。

武漢でいち早く“謎の肺炎”をキャッチした二人の医師の運命、翻弄される武漢市民、動き出す共産党の規律検査委員会、そして警察の公安部門。

彼らはなぜ肺炎の発生を隠そうとしたのでしょうか…。

筆者は現地の状況をつぶさに分析しながら、その秘密を暴いていきます。

武漢に派遣された現役の中国人医師が明かす医療最前線は驚愕の連続でした。

暗中模索の中、信じられない方法で医師たちは謎の病と戦ったのです。

中国人を救った「5種類の薬品」とは何か。なぜ中国はこの病を克服できたのか。すべてが筆者のペンによって明らかにされていきます。

一方、後手、後手にまわる日本。

いち早く的確な対策で国民の命を救った台湾。

両者の根本姿勢の違いは、時間が経過するにつれ、信じがたい「差」となって現われてくるのです。

官邸・厚労省はなぜ国民の期待を裏切ったのでしょうか。

筆者は、政府の足枷となった2つの”障害物”の正体に淡々と迫ります。

迷走する安倍政権は緊急経済対策でも国民の期待に応えられませんでした。

苛立った日本最大の圧力団体の“絶対権力者”が動き、あり得ない逆転劇が起こったことを日本のジャーナリズムは全く報じなかったのです。

その裏舞台が初めて白日の下に晒されます。

その時々の筆者自身のツイッターを散りばめ、読者を同じ時間にいざないながら謎を解いていく新しい形のノンフィクション。

日本人はなぜこれほどの政策失敗の中でも生き抜くことができたのでしょうか。

コロナ襲来の「現実」と未来への「教訓」にまで踏み込んだコロナ本の決定版。

「謎」が解明できた
ネットの予約販売を申し込んでいたが、先行販売があるとのことで書店に走った。結論から言えば、ひと晩で一気に読み終えたので、その甲斐はあったと思う。私は、ファクトに依拠して淡々と描写していく著者の筆致を評価している。そういった意味では、これまでの多くの作品同様、今回も納得させられた。コロナが起こって以降、さまざまな疑問を抱いてきたものが、本書を読んで「ああ、そうだったのか」と納得できる点が多かったからだ。ネタバレになるから多くは書かないが、中国の医療の最前線、武漢病毒研究所のこと、あの「10万円給付」への逆転の裏にあった事実。そして、中国人の命を救った5つの薬の具体名……。息をつかせない展開はいつもの門田節と言えよう。最前線の医療従事者を讃える門田氏の言葉も、読後感を充実させている。


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