帝国妖人伝 伊吹亜門 (著)  小学館 (2024/2/15) 1,870円

犯人は誰? 探偵こそ誰?

時は明治、那珂川二坊は文学で名をなさんとす。

尾崎紅葉に師事すれど執筆がかなうのは小説どころか三文記事ばかり。

この日も簡易食堂に足を運び、ネタを探して与太話に耳を傾けた。

どうやら昨晩、かの徳川公爵邸に盗人が入ったらしい。

蓋を開ければ徳川公にも家人にもこれと云った被害はなく、盗人は逃走途中に塀から落ちて死んだという不思議な顛末。

酔客らは推論を重ねるが、「そりゃ違いますやろ」という声の主、福田房次郎が語り始めたのは、あっと驚く”真相”だった(「長くなだらかな坂」)。

京都・奈良をつなぐ法螺吹峠、ナチス勃興前夜のポツダム、魔都・上海ほか、那珂川の赴く地に事件あり、妖人あり! “歴史・時代ミステリの星”伊吹亜門が放つ全5話の連作短編集――

絢爛たる謎解き秘話を通して、
〈あの人〉たちの妖人ぶりにあらためて瞠目した
――有栖川有栖(作家)

著者の本領発揮作と呼ぶに相応しい完成度
――千街晶之(ミステリ評論家)

伊吹亜門氏といえば、『刀と傘』にて第19回本格ミステリ大賞を受賞した、歴史・時代ミステリのトップランナーです。

そんな伊吹氏にしても、本作は、明治、大正、昭和ともっとも広い時代を扱う意欲作です。

謎解きにも、革新的な仕掛けを施してますが、それはご覧になってからのお楽しみに!

本書は、アクセシビリティに配慮した本です。

視覚障害・肢体不自由などの理由で必要とされる方に、本書のテキストデータを提供いたします。

本書巻末よりお申し込みください。


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